- 2021-11-5
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- Airbus A320, single-aisle aircraft, Wright 1, Wright Electric, ナローボディ機, ハイブリッド推進システム, 二酸化炭素(CO2), 単通路型, 国防総省, 米国航空宇宙局(NASA), 米空軍, 米陸軍, 電動, 電動垂直離着陸機(eVTOL), 電気モーター技術

アメリカの電動航空機のスタートアップ「Wright Electric」は、出力2MW(2700馬力)のナローボディ機(single-aisle aircraft=単通路型)用モーターを開発し、試験を開始した。このモーターは、米国航空宇宙局(NASA)、国防総省、米空軍および米陸軍との契約により開発されている。
航空関係の二酸化炭素(CO2)の90%以上は大型旅客機から排出するといわれている。航空業界の脱炭素化には旅客機に使える新たな推進系技術が求められるが、電動垂直離着陸機(eVTOL)や小型機向けの電動およびハイブリッド推進システムを大型航空機に採用するためには、より強力で軽量、かつ高高度での稼働に耐える電気モーター技術が必要だ。
Wright Electricの2MWモーターは、従来のメガワット級モーターに対して2倍の推進力を実現し、さまざまな用途で活用できるように500kWから4MWまで対応するスケーラブルな設計になっている。また、比出力は10kW/kgであり、現在使われている航空機用推進モーターの2倍だという。これにより、電動またはハイブリッドのナローボディ機での利用が可能になるとしている。
Wright Electricは、乗客186人を乗せ、800マイルを飛行できる電動航空機「Wright 1」を開発中だ。Wright 1は2MWモーター10基を搭載し、「Airbus A320」と同じくらいパワフルだという。Wright 1は、2030年の就航を目指している。