駆動源電動化に対応した静音化設計ギヤポンプを販売開始――従来品比で騒音を最大30%抑制 島津製作所

島津製作所は2021年12月14日、従来品比で騒音を最大30%抑制した静音化設計ギヤポンプ「Serenade SRP300」シリーズを開発し、販売を開始したと発表した。

同シリーズは、同社独自の静音化技術「Serenade」を採用した。Serenadeは、吐出圧力脈動の一つの原因となるギヤポンプ内部のギヤ同士の隙間(バックラッシュ)を可能な限り小さくし、流量変動を抑えることで静音化する製造管理技術だ。

同シリーズの開発にあたっては、音質評価指標「ラウドネス」に着目した。ラウドネスは、一般的な騒音評価で用いられる「音圧レベル」に比べて人間の聴感そのものにフォーカスしたものとなっている。静音化技術を確立することで、オペレータ耳元位置でのラウドネス値を従来品比で最大30%低減した。

近年、電動フォークリフトなどの駆動源を電動化した油圧機器の需要が増加している。これらの機器では、従来のエンジン駆動式と比較して運転音が静かであることからギヤポンプの駆動音が目立つため、ギヤポンプの静音化が求められている。

同社では、これら騒音低減ニーズに対応するギヤポンプの開発を進め、2年前に環境規制の厳しい欧州の大手フォークリフトメーカーに試作品を納入し性能の評価を行ってもらっていた。その結果、今回その静音性が評価され量産採用が決定された。

同社は今後も静音化設計ギヤポンプのシリーズ化開発を進め、フォークリフトや建設機械分野などでの拡販に努める。Serenade SRP300シリーズは、2025年度の販売台数約3万台を目指す。

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