暗黒エネルギー分光器による調査から過去最大の宇宙3Dマップを作成

Credit: D. Schlegel/Berkeley Lab using data from DESI

米エネルギー省ローレンス・バークレー国立研究所が2022年1月13日、これまでで最も大きく詳細な宇宙の3Dマップを作成したと発表した。マップの作成には暗黒エネルギー分光器(DESI)を用い、7カ月間を要した。これでもまだ全5年間の調査のうちの約10%に過ぎず、3Dマップが完成すると暗黒エネルギーについての理解、ひいては宇宙への理解が深まる。

DESIは、アリゾナ州のキットピーク国立天文台にあるニコラス・U・メイオール望遠鏡に2015年から設置された。銀河からの光を色のスペクトルに分解することにより、どれくらい赤方偏移しているかを判断できる。赤方偏移は、宇宙膨張により地球に到達する光スペクトルが赤色側に広がるため生じる。つまり、赤方偏移しているほど光の移動期間が長いことを意味する。

大きく赤方偏移したスペクトルから、ビッグバン以後10億年も経っていないクエーサーが新しく発見されており、約130億年前の宇宙を垣間見ることが可能になった。クエーサーは明るく輝く銀河の一部で、宇宙の歴史を知る手掛かりとなる。

宇宙の約70%は暗黒エネルギーで構成されており、膨張速度の加速に深く関わっている。永遠に膨張し続けるのか、逆ビッグバンとして収縮し崩壊するのかといった宇宙の運命を知るには、暗黒エネルギーが過去にどのように振る舞っていたかを調べるのがカギとなる。DESIを用いた調査データでは、240万個のクエーサーを含むと予想されている。

関連リンク

Dark Energy Spectroscopic Instrument (DESI) Creates Largest 3D Map of the Cosmos

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