大量の電力貯蔵を可能にする技術がCOP26のStartup for Climate賞でベスト賞に選出

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Photo by Thor Balkhed

地球温暖化対策を進める上で、電源構成における再生可能エネルギーのシェアを高めることが喫緊の課題になっている。しかし、電力消費の増加に見合うだけの電力量を供給できるようにする必要がある。電力の供給と消費のバランスを取るには、電力貯蔵技術が不可欠だが、大量の電力貯蔵を可能にする安全で安価な技術の登場が望まれている。

スウェーデンのリンショーピング大学の研究チームは、大量の電力貯蔵を可能にする安全/安価で持続可能な技術の開発に成功した。需要を満たす量の電力をグリッドに送り出すために十分な量の電力貯蔵が可能だという。

新技術には、2個の重要な材料が大きな役割を果たしている。2個の材料とは、新タイプの水溶性のポリアクリル酸電解質と、紙の安価な副生成物で入手が容易な木質リグニン電極。つまり水溶性電解質と、カーボンを混入したリグニン(正極)およびポリイミド(負極)が電力貯蔵の鍵になっている。

研究成果は、2021年11月16日付のAdvanced Energy and Sustainability Research誌に掲載され、特許権を持つスウェーデン企業のLigna Energyが商用化している。同社はグラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で、Startup for Climate賞ベスト賞を獲得した。

安価なカーボン電極と有機材料による水溶性電解質を利用した電力貯蔵技術には、高いイオン導電性と不燃性があることから、安全性と出力に優れるという特徴があることは以前から知られていたが、過去に開発された技術には放電が早いという欠点があった。せいぜい1日しかもたなかったのだ。

今回開発された技術は、その欠点を克服した。自己放電を測定した結果、電圧降下は100時間で0.5V以下だった。これは水溶性電解質における有機電極の電気貯蔵における世界記録だ。

「私たちが開発した技術は、5kW/kgと高い電力密度を持ち、大量の電力の貯蔵を可能にする安全で持続可能な技術です」と研究チームのXavier Crispin教授は述べている。

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Prize-winning technology for large-scale energy storage

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