棒グラフの落とし穴――5人に1人が平均値を読み間違うと判明

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Photo provided by Courtesy of Jeremy Wilmer

気候変動、公衆衛生、経済など、さまざまな統計データを表す際、見た目のシンプルさから、棒グラフが用いられることがある。しかし、その単純さと見やすさゆえに、棒グラフは多くの人に誤解を与えていると、米ウェルズリー大学の研究チームは指摘している。

ここで研究チームが問題視している棒グラフというのは、月ごとの売り上げや出荷数といった、物の量や数を表すグラフではなく、グループごとの平均血圧のように、データの平均値を表すグラフのことをいう。

研究チームは、人々が平均値の棒グラフをどのように解釈しているか調査するため、何百人もの被験者に対して、実際にグラフに書き込んでもらうという方法を採用した。「描くという作業は、人々の空間視覚的な考え方を、具体的に、表現豊かに、そして詳しく把握するのに非常に効果的だ」と、Sarah H. Kerns研究員は語る。

実験では、2つのグループの記憶力を点数化したデータ結果など、いくつかの棒グラフを用意した。被験者に「それぞれの棒グラフは平均値を表している」と伝えた上で、グラフを紙に写し、もともとのデータ20個をグラフから推測して、点を描き込むように依頼した。

棒グラフの高さは平均値を示すため、データ点は棒グラフの先端を中心に上下に分布するはずだ。しかし約20%の人は20点全部、もしくは大部分をグラフの先端より下に描いていた。グラフの先端をデータ分布の境界と誤解していることが分かる。この誤りは、年齢、性別、教育レベル、国籍に関わらず生じていたという。

「この研究から、グラフデザインの単純化は、明確化よりも混乱を生む可能性があると分かった」と、Jeremy Wilmer准教授は語る。個々のデータを平均値のような統計量に置き換えると、見やすく読みやすくなるが、グラフの意味するところが正しく伝わらない場合があるようだ。

研究チームは、こうした誤解が生じるのは、棒グラフという1つのタイプで、「物の数」と「平均値」という根本的に異なる種類のデータを表そうとするからだと指摘している。そのため、棒グラフは物の数や量を表すためだけに使用することを勧めている。「この場合、隠れたデータはない」とKerns研究員は語る。

情報が急速に広まる昨今、誤った解釈は世論や公共政策に深刻な影響を与える可能性がある。データを抽象化するときは、よくよく考えることだ、とも述べている。研究結果は、2021年11月の『Journal of Vision』に掲載されている。

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