ゼラチンベースの自己修復性素材を開発――ロボティクスや人工皮膚への応用も

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Cambridge University/YouTube

ケンブリッジ大学の研究チームは、柔軟なセンサーへの応用に適した自己修復材料を、ゼラチンと塩(塩化ナトリウム)から製造した。開発した材料はゲル状素材で、ひずみや温度、湿度を感知する。また室温で自己修復が可能で、生体適合性、生分解性を有しており、安価で簡単に作ることができるうえ、長期間にわたり安定だ。ロボティクスや人工皮膚、ウェアラブルデバイスなどへの応用が期待できるという。研究の詳細は、『NPG Asia Materials』誌に2022年2月18日付で公開されている。

柔軟なセンサーは、ロボティクスや触覚インターフェースなどの分野において大きなインパクトを与える可能性があるが、これまでのセンサー技術では、耐久性に乏しく大量のエネルギーを消費するという問題があった。

研究チームはこれまで、ロボットの手や腕に使用するソフトセンシング技術と自己修復材料の開発に取り組んできた。初期の材料は自己修復するために加熱が必要だったが、今回開発した材料は室温で自己修復でき、より実用的な応用が期待できる。

材料はゼラチンをベースとしており、安価かつ押し出しが可能など生体適合性を有する。またゲルを組成するゼラチン、グリセロール、水、クエン酸の組成を調整することで、耐久性、安定性、印刷性を確保した。このゲルは、作製後数カ月間乾燥することなく機能を維持する。

このゲル素材に、カーボンインクの代わりとして塩化ナトリウムを添加して印刷すると、材料の変形を感知するセンサーとして機能し、柔軟で伸縮性のあるロボットに組み込むことが可能だ。他の異なる材料ともよく結合するので、さまざまな種類のロボティクスに簡単に組み込めるという。人間の脳が、筋肉にかかる負担から体の状態に関する情報を得るように、このセンサーを用いてロボットの状態について多くの情報を得ることができるだろう。

開発した自己修復材料は、3Dプリントや成形型によって簡単に製造できる。また材料すべてが入手しやすく、食品としても安全であることも特徴だ。同素材はPoC(コンセプト実証)段階ながら、研究チームはロボティクスや人工皮膚、ウェアラブルデバイスへの応用に可能性を見出し、研究している。

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