高潮と洪水の複合現象をリアルタイムで予測できる世界初の3次元モデル

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ハリケーンハービー(2017年)とフローレンス(2018年)が襲ったとき、洪水を引き起こしたのはメキシコ湾と大西洋からの高潮だけではなかった。雨で膨らんだ川、湖、郊外の排水溝などの陸地からの水流も洪水に大きく影響した。当時、これらの要因は多くのシミュレーションモデルで見落とされ、洪水の危険度が過小評価された。

アメリカ海洋大気庁(NOAA)とバージニア海洋科学研究所(VIMS)の研究チームが、世界初の3次元(3D)高潮モデルを開発し、これらのハリケーンで生じた洪水の複合現象の解析に成功した。このモデルは、特にこれまで困難であった、河口で起こる高潮と洪水の複合現象をシミュレーションすることができる。

「高潮と洪水の複合現象による災害は世界が抱える問題です」とVIMSのZhang氏は言う。「特に河口付近でのシミュレーションは課題でした。多くの要因が非線形に相互作用するからです。」

2021年6月『Natural Hazards and Earth System Sciences』誌に、研究チームはハリケーンフローレンスにおける複合洪水の研究を発表した。 その研究では、障壁になる島(バリヤー島)が、高潮の複合現象を起こす上で、重要な役割を果たしていることを明らかにした。

バリヤー島は高潮が来る方向に応じて波の増減を決め、その波がいくつかの越流と決壊に寄与していることを発見した。

さらに、洪水の主要因(海と川、雨)に対するシミュレーションをした結果、洪水を引き起こす重要な場所を特定した「優勢マップ」が得られた。この地図は、沿岸流域と河口、バリヤー島の背後にある湖の多くが洪水の複合現象に影響することを明確にした。

2021年4月以来NOAAは、大学に設置されたものでは最速のスーパーコンピューターであるFronteraを用いて、米国の東海岸と湾岸に対して高潮モデルのシミュレーションを毎日実行している。熱帯低気圧クローデット(2021年6月)に覆われたとき、リアルタイムで得られた3D高潮モデルは、湾岸全体の観測とよく一致した。

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