- 2022-4-11
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- 3Dプリンター, Inventure, Maciej Szczepański, Zortrax, Zortrax DSS Station, ヴロツワフ環境・ライフサイエンス大学, 動物用補装具, 義足
ポーランドの3DプリンターメーカーZortraxは2022年1月31日付のブログで、同社のデスクトップ型3Dプリンター「Inventure」を使って犬の義足を製作した事例を紹介した。
このプロジェクトを推進した人物は、ヴロツワフ環境・ライフサイエンス大学 獣医学部の最終学年に在籍するSzczepański氏。アメリカなど他国と比べてポーランドでは動物用補装具の普及が遅れている状況に着目したMaciej氏は、負傷した動物の支援を決意した。
プロジェクトは、交通事故で負傷した2匹の犬への補装具の製作からスタートした。その後Maciej氏はこの仕事に専念できるよう、それまで外注していた3Dプリントの工程を内製化する手段としてZortrax Inventureを導入した。
義足の製作過程は、まず残った脚の形状をスキャンしてデータを取り、それをInventureで3Dプリントする。その後、Zortrax DSS Stationを使用して義足の部品以外のサポート材を溶解し、取り出した部品を組み立てる。InventureはMaciej氏にとって初めて使用した3Dプリンターだが、「直感的なインターフェースに助けられて問題なく操作できた」と述べている。
3Dプリントにはその場で試作品の効果を確認できる利点があり、義足の製作期間を3日以内に短縮できるという。実際、完成した義足を装着して15分も経たない間に、負傷前と変わらない様子で歩きだすケースもあった。
Maciej氏は「他の義肢の製作や、過去に製作した義肢の修理をしたい」と話しており、補装具を必要とする動物を長期的にサポートするスタートアップの設立を進めている。
関連リンク
The Superhero of 3D Printing. How Veterinary Medicine Can Benefit from the AM Technology