細菌を利用して二酸化炭素を産業用化学物質に変える――化石燃料依存から炭素循環社会へ

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Image by Justin Muir

細菌は自然科学が発展する前から人間に化学反応の恩恵をもたらしてきた存在だ。牛乳の乳糖からヨーグルト、穀物の糖分から酒を作ってきた。そしてこのほど、米LanzaTechとNorthwestern大学の研究チームが、二酸化炭素からアセトンとイソプロパノールを生成する細菌の開発に成功した。

開発した生成プロセスは、大気中の温室効果ガスを除去するだけでなく、アセトン合成の原料として化石燃料の使用を避けることができ、温室効果ガスの排出量を160%まで削減するという。

アセトンとイソプロパノールは、日用/工業用の化学品として広く流通しており、市場は世界で100億ドル(約1兆1830億円)を超えるとされる。産業の維持に欠かせない物質ではあるが、化石燃料を原料としていたため、持続可能な生成プロセスが世界中で模索されていた。

研究チームは、一酸化炭素からエタノールを生成する嫌気性細菌Clostridium autoethanogenumを用い、合成生物学の技術により二酸化炭素からアセトンとイソプロパノールの生成プロセス開発に成功した。

本プロセスは、他の汎用的な化学品の生成にも応用が期待できる。LanzaTechのCEOであるJennifer Holmgren氏は「今回開発したアセトンとイソプロパノールの合成経路が、多種多様な業界で炭素循環型の製品開発を推進するだろう」と述べている。

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Bacteria upcycle carbon waste into valuable chemicals

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