EV用バッテリマネジメントシステム向けの複合デバイスドライバソフトウェアを提供 ルネサス

ルネサス エレクトロニクスは2022年6月2日、電気自動車(EV)の車載バッテリーマネジメントシステム(BMS)向けに、AUTOSAR準拠の複合デバイスドライバー(Complex Device Driver:CDD)ソフトウェアの提供を開始した。EV用バッテリーマネジメントシステムの開発期間を短縮する。

提供を開始したCDDソフトウェアは、同社の車載用マイコン「RH850/P1M」と、リチウムイオンバッテリーマネジメントIC「ISL78714 IC」を搭載した同社のウィニングコンビネーションであるBMSリファレンスデザインハードウェアキットに対応。RH850/P1Mに搭載し、ISL78714と組み合わせることで、バッテリーマネジメントシステムの性能を最大化する。

CDDは、同社がRH850マイコン用に提供するMCAL(Microcontroller Abstraction Layer)ソフトウェア上に搭載。バッテリーマネジメントの基本的なソフトウェアとなるCDDは、バッテリーセルの電圧と温度の測定値を収集。ISL78714のセルバランシング機能を制御する。パラメーター設定により、BMSシステム内のセル数や、バッテリーセルのデータ収集の頻度を指定できる。

シンプルだが、フル機能を備えたAPIを用意。バッテリーセルの測定値は、ユーザーのアプリケーションソフトウェアによりリアルタイムで受信できる。

ISL78714の動作に必要なソフトウェアインタフェースとプロトコル管理は、CDDソフトウェアに組み込み済み。MCALソフトウェアモジュールに含まれる既存の低レベルSPI、GPIO、汎用タイマー(GPT)ドライバーの上で動作する。CDDソフトウェアは、ユーザーにソフトウェア設計を簡素化する実用的なアーキテクチャを提供する。

CDDソフトウェアとMCALソフトウェアモジュールは、自動車用機能安全規格ISO26262で最も高いASIL Dの開発プロセスに準拠。ASIL Dを車載マイコンのRH850/P1Mもサポートする。ASIL Dに準拠したソフトウェアを開発する場合、サンプルソフトウェアとしてCDDを使用することで早期開発ができる。また、同社のパートナーであるTATA Elxsiと契約し、システム開発も可能とした。

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