最長30mの距離を測定できる、ハイブリッド駆動ToF方式の3Dセンサーを開発 凸版印刷ら

凸版印刷は2022年6月16日、子会社のブルックマンテクノロジと共同で、1~30mの範囲で距離を測定できる「ハイブリッド駆動ToF(Time of Flight)方式」による「三次元距離画像センサー(以下、3Dセンサー)」を開発したと発表した。従来主流の間接ToF方式による3Dセンサーの5倍以上の距離まで計測できる。

ブルックマンテクノロジの子会社化を通じ、新型の3Dセンサーの開発を進めてきた同社は、ブルックマンテクノロジが得意とするショートパルス駆動方式を改良したハイブリッドなToF技術を開発。長距離測定性、高い外光耐性に加え、高速撮像性と複数台の同時駆動に対応した。

今回開発した新型ToFセンサーは、ハイブリッドなToF駆動方式を採用。既存機種の約5倍となる30m先まで距離が測定できる。

外部光の成分を除去する機能をセンサーの画素1つひとつに搭載。外光のノイズを除去できるため、真夏の日中程度である10万ルクスの外光下でも正確に距離が測定できる。このハイブリッド駆動ToF方式による3Dセンサーは、CMOS方式のイメージセンサーとして、世界で初めて照度10万ルクスの環境下で、最長20mまでの距離を測定できる。

1フレームで距離の測定と外光ノイズ除去を完結。「測定エラー」の原因となるブレを発生させることなく距離を測ることができるため、1秒間に最大120枚と従来機種の約4倍となる距離画像を取得できる。独自の制御法を採用しており、外光と同じように他のカメラが発する信号光を除去できるため、カメラ同士が干渉することなく、複数のカメラを同時に駆動できる。同時駆動は、最大256台のカメラに対応する。

今回開発した新型ToFセンサーを搭載することで、障害物を回避するなどの動きをする自律飛行ドローンや自律走行型搬送ロボットなどの操作性と安全性が向上する。

両社は今後、新方式によるToFセンサーが自律型移動ロボットや産業機器などの可能性を高める新たな「眼」として普及することを目指す。凸版印刷は、新しいToF方式による距離センサーを搭載したカメラの開発も進めている。評価用モデルの提供開始は2022年12月、販売開始は2023年秋を計画している。

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