イギリスの王立造幣局、電子回路基板から金を回収する工場を建設

英The Royal Mint(イギリス王立造幣局)は、電子回路基板などの電子機器廃棄物から金を回収する処理施設をサウスウェールズ州に建設すると発表した。この施設は、リサイクル技術のスタートアップ企業Excirが特許を取得した化学薬品を使用して、ノートパソコンや携帯電話の電子回路基板から金を回収する。

電子機器廃棄物の排出量は世界で年間5000万トン以上、そのうちリサイクル処理される割合は現状で20%未満だ。2030年までに7400万トンに達すると推測される廃棄物の増加に、なんらかの対策が必要とされてきた。同造幣局が計画する施設はExcirの処理技術を利用して、廃棄物に含まれる貴金属を99%以上回収する。

この処理施設は造幣局の敷地内に建設され、2023年に稼働を開始する予定だ。稼働すればイギリス国内で発生した電子機器廃棄物を集約し、週に最大90トン、年間で数百キログラムの金を回収する。あわせて、施設の運用に必要な約40人の雇用を創出する。

造幣局の最高経営責任者であるAnne Jessopp氏は事業の方針について「我々は貴金属の専門知識を補完し、サステナビリティと雇用を支える分野に向けて、事業の変革に取り組む」と述べた。また、最高事業成長責任者(CGO)であるSean Millard氏は「イギリス全土で排出される電子機器廃棄物の99%は現状海外で処理されている。この処理施設の稼働によって高品質の金を造幣局に直接供給する世界初の工場になる」と説明した。

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The Royal Mint to build ‘world first’ plant to turn UK’s electronic waste into gold

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