リサイクルが難しいプラスチックをアップサイクルする低貴金属担持触媒を開発

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Photo by Cortland Johnson | Pacific Northwest National Laboratory

2022年8月22日にシカゴで開催されたアメリカ化学会(ACS)秋季大会で、パシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)の研究チームが、貴金属の使用量を減らしながら、有用製品への転換率を高めるプラスチックリサイクル技術を発表した。

研究チームを率いるPNNLの化学者Janos Szanyi氏は、「今回報告した重要な発見は、貴金属の使用量が非常に少ないということです。これにより、触媒が非常に安価になります」と説明した。同手法は、プラスチックを効率よく有用な化学製品に変換する「アップサイクル」と呼ばれる技術だ。付け加えて、温室効果ガスである副生成物のメタン発生量も、他の方法と比較して大幅に少ない。

ポリプロピレンやポリエチレンのようなリサイクルが難しいプラスチックに水素を添加する水素化分解反応は、プラスチック廃棄物を付加価値の高いより小さな炭化水素に変換する有望な手法であることはよく知られていた。同手法を経済的に実行可能にするには、効率と選択性の高い触媒が必要である。

研究チームは、貴金属のルテニウム(Ru)の量を減らし、触媒のアップサイクル効率と選択性を向上できることを発見した。「ACS Catalysis」誌に発表した最近の研究で、担体の酸化セリウム(CeO2)に担持するRuの比率を低くすると、粒子の秩序配列が無秩序になり、効率が向上することを明らかにした。同研究は、ワシントン州立大学の化学工学教授であり、PNNLフェローである Yong Wang氏による原子トラップと単一原子触媒の研究に基づいている。

さらに、ACS で研究チームは、触媒効率を改善する上での担体の役割を探った最新の研究についても説明した。 CeO2に代わる、より安価で入手しやすい担体材料を調査した結果、化学修飾した酸化チタンが、ポリプロピレンをアップサイクルする上で、より高い効率と選択性を示す可能性を発見し、実用化に向けてさらなる研究を重ねているという。

関連リンク

Plastic Upcycling: From Waste to Fuel for Less

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