米Raytheon、2度目の極超音速巡航ミサイル飛行試験に成功

防衛大手の米Raytheon Technologies傘下のRaytheon Missiles & Defense(以下、Raytheon M&D)は、2022年8月16日、音速の5倍超で飛行する極超音速ミサイルの2度目の飛行試験に成功したと発表した。

極超音速吸気式兵器コンセプト「Hypersonic Air-breathing Weapon Concept(HAWC)」は、アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)と米空軍による共同プロジェクトだ。2022年7月に実施された2度目の飛行試験では、2021年9月に成功した最初の飛行試験で得た情報に基づいて、細かな改良を加えたHAWCが採用された。

航空機から投下してマッハ5以上に加速させるこの試験で、HAWCミサイルの性能はデータモデルの予測に合致するものだった。米Northrop Grummanがスクラムジェット燃焼器と流路の一部を設計しており、ミサイルは空中で周囲の空気を取り込んで酸素を燃焼させ、マッハ5以上の速度を生み出す推進力とする。

極超音速兵器の速度と機動性は厳しい運用環境を作り出すため、従来とは異なる斬新な設計ソリューションが必要となる。Raytheon M&Dは、温度管理、推進力、センシングに最新技術を取り入れ、システムを迅速に開発検証するため、地上試験と併せて、モデリングやシミュレーションを含むデジタルエンジニアリングを活用している。人工知能、機械学習、ビッグデータの進歩のおかげで、以前は不可能だった方法で大規模に能力開発することが可能になった。

Raytheon M&DのWes Kremer社長は、デジタルエンジニアリングが「飛行試験の成功に大きく寄与している」と述べ、「私たちの国の極超音速能力向上は国家の責務であり、今回の成功は重要な一歩だ」としている。

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