セルフバイアスジェネレータ一体型APDアレイを開発――LiDARモジュールを低コスト化 浜松ホトニクス

浜松ホトニクスは2022年10月12日、セルフバイアスジェネレータ(SBG)を一体化した産業用LiDAR向けアバランシェ・フォトダイオード(APD)アレイ「Gain Stabilized(ゲイン スタビライズド) Si APD S16430-01CR」を開発したと発表した。LiDARモジュールメーカー向けに、サンプルの提供を10月末より開始し、量産を2023年4月に開始する。

S16430-01CRは、同一パッケージに、SBGと電流を電圧に変換する信号処理回路のトランスインピーダンスアンプ(TIA)を内蔵した16チャンネルの産業用LiDAR向けAPDアレイだ。

APDアレイは、LiDAR向けの光センサーでは主流となっているが、光の信号の増倍率を温度変化に応じて調整する必要があるため、同社は、独自の光半導体素子の製造技術を応用し、SBGを半導体基板上に高精度、高品質に形成する技術を確立した。

SBGをAPDアレイと一体化したことで、定電流源回路をSBGに接続するだけで増倍率を固定できるため、マイコンや温度センサーが必要ない。また、同一パッケージにTIAを内蔵。光センサーとしてS16430-01CRを組み込むことで、自動搬送車に搭載するLiDARモジュールを低コスト化できる。

TIAの設計も最適化しており、出力する信号の揺らぎを抑えながら、従来のTIA内蔵型APDアレイの3倍となる光パルス幅1nsに追従する応答速度まで高めている。また、検出距離と測定精度が、高速化により向上している。さらに、APDアレイとTIAの構造を工夫し、誤検出の原因となるクロストークの発生を抑えている。

なお、本製品は、同年10月18日(火)〜21日(金)まで幕張メッセで開催される「CEATEC 2022」に出展される。

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