幅を短縮したデフサイドシールを開発―― eAxleの小型化、軽量化に寄与ジェイテクト

ジェイテクトは2022年10月24日、グループ会社の光洋シーリングテクノが、幅を短縮したデフサイドシール「JTEKT Ultra Compact Seal（JUCS）」を開発したと発表した。eAxleの小型化、軽量化に寄与する。

デフサイドシールとは、デファレンシャルとドライブシャフトの連結部に装着するオイルシールを指す。内部からのオイル漏れや、外部からの異物混入を防止する働きを有する。

eAxleは、インバータやモーター、デファレンシャルを含む減速機を一体化したものだ。電気自動車（EV）やハイブリッド車（HEV）において採用が進んでおり、小型化や高出力密度化が求められている。このため同社は今回、幅を短縮したデフサイドシールの開発に至った。

同軸タイプeAxleの断面図と幅短縮デフサイドシールの搭載位置

同社は、低温性を従来比で1.2倍に高めたゴム材を開発した。また、緊迫力構成比率（ゴム：ばね）を最適化し、低温時における偏心追随性を高めている。

これにより、従来と同等の偏心追随性を保ちながら、シール内周部のリップ長さを20％短縮した。加えて、ハウジングと金属環を接触させる構造をシール外周部に採用。幅寸法短縮によるシールの保持力低下を防いでいる。

上記により、デフサイドシールで一般的な外径50～80mm、幅9～12mmにおいて、シール幅を約2mm、左右合わせて約4mm短縮した。eAxleのユニット長の短縮に寄与する。

（左）従来品の形状（シール断面図）
（右）新開発品の形状（シール断面図）

同社は、今回開発したデフサイドシールの年間売上目標を5億円に設定した。

なお、出力150kWの同軸タイプeAxleに同製品および同社のデファレンシャル（JUCD）、ベアリング（JUCB）を適用した場合、eAxleのユニット長を約50mm短縮、重量を約5kg低減できるという。

幅を短縮したデフサイドシールを開発―― eAxleの小型化、軽量化に寄与　ジェイテクト