- 2022-11-10
- 機械系, 製品ニュース
- NTN, TRINITTE, スカラロボット, ピッキング, ピッキングロボット, ロータリアクチュエータ, ロータリアクチュエータ式ハンド, 水平多関節ロボット
NTNは2022年11月9日、軽可搬重量（5kg以下）のピッキングロボット向けに、小型、軽量で、姿勢を0～100度の範囲で設定した任意の2点の角度に変更できる「ロータリアクチュエータ式ハンド」を開発したと発表した。ワークの姿勢に合わせて、ワークを上からでも横からでも掴める。
ピッキング作業に一般的に使用される高速で強度の高い水平多関節ロボット（以下、スカラロボット）は、ワークに対して横方向や斜め方向からのピッキングができないが、ロータリアクチュエータ式ハンドは、ピッキングロボットの先端部に装着して使用することで、ランダムな姿勢のワークに対し、さまざまな方向と角度からピッキングできる。
ロータリアクチュエータの回転軸を中心にワークを掴むチャック部との締結部が回転するため、0～100度の範囲でチャック部の位置や姿勢を設定した2点の角度に変更できる。ロータリアクチュエータ式ハンドをピッキングロボットの先端部で回転させることで、横方向や斜め方向からピッキングができ、大幅にワークの取り逃がしを削減する。
ロータリアクチュエータとチャック部は、コンパクトに一体化。小型、軽量化を図ったことで、周辺装置の干渉を防止することに加え、ロボット先端部の重量、慣性も小さくなるため、高速搬送できる。さらに、チャック部のツメ形状も最適化しているため、ワークの落下も防止する。
ロータリアクチュエータ式ハンドと、スカラロボットを用いたピッキングロボットを組み合わせることにより、これまで困難だったランダムな姿勢のワークを高速でピッキングできる。さらに、ワークの姿勢をピッキング後の搬送中に変更することもでき、ワーク姿勢を整える機構や工程を省略できる。
姿勢変更イメージ
参考仕様は、サイズ（下向き時）73×112×54mm、重量0.35kg、発生トルク（0.4MPa、空気）0.6Nm、最大可搬重量（0.4MPa、空気）0.1kg、動作回転速度（0.4MPa、空気、無負荷時）50min-1（0.3s/90°）、動作可能範囲0°〜100°である。
ロータリアクチュエータ式ハンドは、同社が開発したピッキングロボット用フィーダ「TRINITTE（トリニッテ）」との組み合わせにも対応。ワークの取り逃がしを防止し、TRINITTEの幅広いワーク形状に対応した連続ピッキング、段取替え時間やワーク詰まりの削減などの特長と合わせて高い生産性を発揮する。
