吊り上げ荷重6000トンの電動クレーン――大規模化する風力発電施設の建設に対応

オランダに拠点を持つMammoetは重量物の取り扱いを専門とする企業で、2024年に納入予定の大型電動クレーン「SK6,000」の製造を開始した。同クレーンは、吊り上げ荷重6000トン級で、主に風力発電設備の建設に対応する次世代機だ。

同社によると、エネルギー供給事業では高い費用対効果が求められている。この要求に対応するため、発電施設の設置場所はより水深の深い海域に移行し、より強い風速を得るためにタービンの設置位置も高くなるなど、建設条件は厳しくなっている。

具体的には、風力発電設備は「固定式」と「浮体式」ともに、タービンや基礎部材が巨大化している。例えば「ジャケット式」や「モノパイル式」を採る主要構造体の重量は2000~3000トン級になり、出力15~20MWのタービンを設置するタワーの高さは150mを超える。

SK6,000の最大半径は144mで、大型の風力発電施設の建設に対応する。メインマスト(支柱)の長さは最大171mで、延長アームである「固定ジブアタッチメント」を追加すれば、吊り上げ高さは274mに達する。

SK6,000はコンテナに格納して運搬できるため、さまざまな港湾施設へ迅速に移動して組み立て作業を開始できる。この仕様により大規模なモジュール式の建設に対応し、岸壁の限られた場所で効率的に組み立て作業ができる。

さらに、同社の電動式自走輸送車「SPMT(Self-Propelled Modular Transporter)」と組み合わせれば、世界中のあらゆる場所で、重量物輸送の全工程を、完全な排出ガスフリーで完結できるという。

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