IEEEが米エンジニアの年収調査結果を発表――半導体分野が熱いが実質収入は減少

IEEE-USAが給与レポートの最新版『2022 IEEE-USA Salary Survey』を発表した。それによると、2021年のエンジニアや技術系専門職の年収中央値は16万97ドル(約2142万円)だった。2020年の15万4443ドル(約2066万円)と比べると明らかに増加しているが、実質賃金に換算すると約3500ドル(約47万円)の下落だという。

専門分野別に分析すると、2021年、年収を大きく伸ばして分野別で1位となったのは、ICやダイオードを扱う半導体分野だった。その他回路系およびデバイス、機械学習、画像および動画処理、医療およびバイオ分野のエンジニアも給与水準が高い。前年1位だった家電分野は、平均給与を下げていた。

また、IEEE-USAは賃金格差や仕事に対する満足度についても調査している。

男女とも年収中央値は2020年から増加したものの、男女間の賃金格差は、5900ドル(約79万円、インフレ調整なし)増え、3万3900ドル(約453万円)に拡大した。今回の調査では男性の方が女性より勤続年数が長いこともあって、賃金格差を算出するのは難しいとしている。しかし、職場における女性労働力の比率は、過去10年間変わらず、10%を下回ったままだとも指摘している。

人種別でみると、白人とアフリカ系アメリカ人の格差は前年から約1万1000ドル(約147万円)改善して、1万2867ドル(約172万円)。白人とヒスパニック系の格差は約6000ドル(約80万円)改善して、1万2278ドル(約164万円)だった。

仕事に対する満足度は、昇給や報酬に対する満足度を中心に、全体的には前年から低下した。一方、技術的な課題に対する満足度については、2020年に急落したが、2021年は一転して大幅に上昇し、過去のレベルにまで戻している。

調査は、技術部門においてフルタイムで働く3057人を対象とし、残業代、ボーナス、利益配当、副業からの収入は除いている。なお、残業代などを含めると、2021年の年収中央値は16万7988ドル(約2247万円)になる。

関連リンク

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