- 2022-12-6
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- AIrsenal, Alan Turing研究所, FIFAワールドカップカタール2022, アルゴリズム, ファンタジープレミアリーグ
データサイエンスと人工知能を扱うイギリスの国立研究機関であるAlan Turing研究所が2022年11月18日、「FIFAワールドカップカタール2022」の優勝チームを予測するアルゴリズムを発表した。
カタールW杯の開幕前、同アルゴリズムが全試合を10万回実行したところ、ブラジルの優勝確率が25%前後で大本命、続いて優勝候補の2番手はベルギー、3番手はアルゼンチンという結果になったという。イングランドは5位という予測で、日本が対戦したスペインは6位、ドイツは圏外、クロアチアは10位だった。
同アルゴリズムは、イングランドのプロサッカー1部リーグであるプレミアリーグが運営するオンラインサッカーゲーム「ファンタジープレミアリーグ」をプレイするため、2018年に開発されたAIrsenalをベースにしているという。
AIrsenalは、チームの攻撃力/防御力/ホームアドバンテージのパラメータを持ち、ベイズ統計学を使用して与えられた最も可能性の高いスコアを計算している。W杯に向けて、異なる大陸の連盟の相対的な強さに関するモデルパラメータやホームアドバンテージを考慮するなどの調整を加え、国際的な結果を予測できるように変更した。
さらに、1872年以降のすべてのサッカー国際試合に関する包括的なデータベースと、2002年ワールドカップ以降のすべての国際試合の結果を反映し、FIFA世界ランキングもモデルに組み込んでいる。
しかし、個々の選手の傑出したパフォーマンスや、場所/天候による影響など、複雑に重なった要因を全て考慮できるわけではない。今回の結果について同研究所は、「この検証のゴールは、誰もが自由に使用できる、シンプルで分かりやすく、堅牢なオープンソースのモデルを作ること」だとし、この予測を賭けの判断材料とすることはおすすめしないと述べている。
同アルゴリズムが正しい結果を導き出したのかどうかは、遅くとも、決勝戦が行われる12月18日(現地時間)には明らかになる。
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