多目的ヘリ「Black Hawk」、自律飛行による搬送ミッションに成功

米Lockheed Martin傘下にあるSikorskyと米国防高等研究計画局(DARPA)は2022年11月2日、米陸軍の多目的ヘリコプター「Black Hawk」が、無人飛行による貨物輸送と負傷者救護のデモンストレーションに成功したと発表した。

今回の無人飛行は、米陸軍の「Project Convergence 2022」の一環として、実物と模擬の血液を計227kg積載して134kmを飛行した。なかでも、地上61mを時速185kmで低空飛行することで、敵からの発見を回避する能力を示した。また、機体外に1179kgの貨物をスリングで吊った状態で30分間飛行し、予定の地点に到着した。

その後Black Hawkは、負傷兵を搬送するミッションのなかで、担架上のマネキンを機内に固定し、地上オペレーターの遠隔操縦によって帰投した。ヘリの通信システムにはヘルスモニタリング装置が搭載され、リアルタイムでバイタルデータを医療チームに転送した。

Black Hawkの無人飛行は、Sikorskyの自律システム「MATRIX」を搭載したフライトコンピューターが制御する。今回のデモンストレーションは、MATRIXがDARPAのALIAS (Aircrew Labor In-cockpit Automation System) プロジェクトの中核として、無人飛行システムの安全性と信頼性を実証したかたちだ。

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Sikorsky And DARPA’s Autonomous Black Hawk® Flies Logistics And Rescue Missions Without Pilots On Board
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