航空機の燃料節約に寄与する、サメの肌の形状を模したリブレットフィルムが欧州で認証取得――ボーイング777型機に装着予定

Image copyright:Lufthansa Cargo -Photographer:Oliver Roesler

独Lufthansaグループ傘下で、航空機の保守修理点検(MRO)サービスを提供するLufthansa Technikは、2022年12月16日、総合化学会社の独BASFと共同開発した省燃費に寄与するリブレットフィルム「AeroSHARK」に対し、欧州航空安全機関(EASA)から追加型式証明(STC)を取得したと発表した。今後、独Lufthansa CargoとSwiss International Air Lines(SWISS)が所有する「Boeing 777」に装備する予定だという。

2022年8月末からSWISSの「777-300ER」の機体にAeroSHARKを装着する改造を行い、今回の型式証明取得のための飛行試験も完了している。既にスイス連邦民間航空局からこの1機にのみ有効な飛行許可証を取得して2022年10月に運航を開始していたが、今回のSTC取得により、777-300ERおよび「777F」への装着が可能となった。

AeroSHARKは、リブレットと呼ばれる微細なリブで構成された特殊な表面構造により、航空機の機体表面の摩擦抵抗を低減させる。リブレットとは、サメの肌をモチーフにした人工的な微細構造のことだ。その結果、燃料消費量とCO2排出量を約1%削減できるという。SWISSが運航する777-300ER1機当たりで年間約400トンの燃料を節約でき、1200トン以上の二酸化炭素を削減できることになる。また、777-300ERより小さい777Fでは、年間約370トンの燃料を節約し、1170トンの二酸化炭素を削減できる。

Lufthansa CargoとSWISSは両社が所有する12機の777-300ERと11機の777F全機にAeroSHARKを装備する予定で、導入が完了すればLufthansaグループ全体の二酸化炭素排出量を年間2万5000トン以上削減することになるという。

Lufthansa Technik CEOのSoeren Stark氏は、Boeing 777の2機種へのAeroSHARK装着が承認されたことは、航空輸送の持続可能性を高める新技術の普及に向けた重要な一歩だと述べた。さらに、サブフリート全体を気候に悪影響を及ぼさないものにするサポートができるようになったとし、この新技術を他の航空機にも適用していくと今後の展望についても語った。

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PressRelease_AeroSHARK_777-TCS_Dec2022 – Press Releases – Media | Lufthansa Technik

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