国産ドローンの成長を支援――VFRなどがカスタマーサービス代行事業を立ち上げ

ドローンの開発/販売などを手掛けるVFRは2023年2月9日、ドローンメーカーやサービス事業会社を支援するカスタマーサービス代行事業を、高知市の2企業とともに3月から開始すると発表した。ドローン業界にはスタートアップ企業が多いことから、同社は「国産ドローンの成長には顧客サービスが不安要素となっており、サービス代行事業を立ち上げることで課題解決を図りたい」などとしている。

事業に参加するのはVFRのほか、ソフトウエアのカスタマーサポートセンター事業を手掛けるSHIFT PLUS、PCやドローンの販売/講習などを展開するエレパ。SHIFT PLUSとエレパは高知市に本社を置いている。

3社は2023年3月に法人向けのコールセンターを開設する予定だ。顧客からの問い合わせ対応や販売会社へのセールスサポート、ベンダーへのテクニカルサポートに対応する。具体的なサービス内容は、メールや電話による製品の在庫確認、操作方法の問い合わせ、トラブル対応のほか、代替機のレンタルや保守部品のスピード発送、電子マニュアルの提供など。販売会社などに向けては、Webサイト上で簡単にドローンのカスタマイズと見積もりができる「Webコンフィグレーター」を提供。メーカーを横断してドローンの見積を一括取得できる機能を提供し、営業の高度化を支援する。カスタマーサポートはVFRとSHIFT PLUSが行い、テクニカルサポートはエレパが担う。

VFRは、ノートPCメーカーVAIOの子会社で、国内ドローンメーカーから開発や製造などを請け負っている。2021年にSUNDREDやACSLなどとともにドローン技術の確実な社会実装を目指す「Take Off Anywhere(ToA)プロジェクト」をスタートさせており、今回のカスタマーサービス代行事業もプロジェクトの一環として位置づけられている。

国産のドローンメーカーはスタートアップ企業が中心で、カスタマーサポート体制が十分に整っていない。開発部門がトラブルにも対応することが多く、代理店が多い中国製品に比べ、営業力や顧客対応で後れを取っているのが課題となっている。このため、カスタマーサポートを充実させるとともに、問い合わせやトラブルの内容を製品の改良/開発に反映させられる態勢を強化しようと、VFRを中心にサポート代行事業をスタートさせることになった。

高知県吾川郡いの町で開かれたサービス発表会で、VFRの湯浅浩一郎社長は「日本のドローンの市場は今後10兆円規模まで拡大すると見込まれ、セキュリティの観点から国も国産ドローンの開発/生産に力を入れている。しかし、国産ドローンメーカーはベンチャー企業が多く、カスタマーサポート体制に課題がある」と指摘。「われわれが裏方となってサポート体制を立ち上げ、顧客からの声や問い合わせを製品開発やアフターサービスに反映し、さらに顧客満足度を高めていく好循環サイクルを実現したい」などと意気込みを語った。

関連情報

VFR、ドローン業界のカスタマーサービス代行事業を開設 – VFR Inc.(国産ドローンメーカー)

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