2022年のフレーズは「Please don’t cancel my plans」――学習アプリDuolingoにみる世界情勢

世界に5億人以上のユーザーがいる言語学習アプリDuolingoが2022年12月6日、2022年の一句を発表した。今年の一句は「Please don’t cancel my plans(私の計画をキャンセルしないで)」という、スペイン語話者向けの英語コース中で使われたフレーズだ。これは、アメリカで相次いだ航空便の欠航、リゾート地での自然災害、旅行費の高騰などを受けた全体感情を反映しているという。

Duolingoは同時に、ユーザーデータに基づいて、学習される言語のトレンドなどをまとめた「2022 Duolingo Language Report」を発表している。依然として英語が最も人気であるのに変わりはないが、これもやはり2022年の世相を反映したものとなった。最大のポイントは、ウクライナ語学習者の増加と入国制限緩和の影響だ。

ウクライナ語の学習者はロシアによる侵攻後、急速に増加し、130万人以上がウクライナ語を学び始めた。日本やベトナム、アルゼンチンなど地理的に離れた国でも急増したが、難民を多く受け入れた国ではさらに顕著で、ドイツではウクライナ語学習者が前年比で1651%増加した。逆に難民として居を移したウクライナの人々もまた現地語の学習を必要としており、ドイツで人気の言語第2位がドイツ語となった。

自分のいる国の言葉を学ぶユーザーが増えたのはドイツに限ったことではなく、2022年は統計全体としてもコロナ禍以降初めて、自国の言葉を学ぶユーザーが増加した。これは、パンデミックで一時渡航先を離れた学生や移民、労働者や観光客が戻ってきていることを示唆しているという。

日本に目を向けると、日本語はブルネイとフィリピンで人気言語トップの座を明け渡すなど、韓国語のブームに押され気味な部分もあるが、全体では英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語についで「人気の言語」ランキング5位の座をキープしている。また、日本は全ユーザーの平均学習時間を元に算出した「真剣に学習した国」ランキングで1位となった。

2023年についてDuolingoは「Year of the Confident Traveler(自信に満ちた旅行者の年)」になると予想し、旅行を目的とした語学学習が復活すると見ている。2022年11月1 日に 18 歳以上のアメリカ人1187人を対象に行った調査では「旅行前に言語を学習する/したい」と答えた人が45%、「旅行中快適に過ごすには簡単な会話程度の現地語の知識が必要」と答えた人が38%だった。

関連情報

Duolingo Reveals “Most 2022 Phrase” and Launches Third Global Language Report – Duolingo, Inc.
2022 Duolingo Language Report

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