- 2023-2-24
- 化学・素材系, 技術ニュース, 海外ニュース
- Carmel Majidi, Carnegie Mellon大学, magnetoactive solid-liquid phase transitional machine, Matter, T-1000, ガリウム, ターミネーター2, 小型ロボット, 磁性体粒子
中国の研究者などで構成された研究チームが、固体から液体へ、そして再び固体へと迅速かつ可逆的に状態変化する小型ロボットを開発した。学術誌『Matter』に2023年1月23日付で論文を掲載している。
研究チームは「magnetoactive solid-liquid phase transitional machine」と呼ぶ新しい相転移材料を合成した。29.8℃という非常に低い融点を持つガリウムに、磁性体粒子を埋め込んだものだ。
米カーネギー・メロン大学のCarmel Majidi氏は「磁性体粒子には2つの役割がある。1つは、材料が交番磁界に反応できるようにする役割だ。誘導で材料を加熱し、相変化を起こすことができる。2つ目はロボットが磁界に応答して動くといった役割だ」と説明している。
研究チームは、医学と工学における課題解決に、今回の研究成果が活用できるのではないかと見込んでいる。研究チームはロボットを使用して、モデルの胃から異物を取り除き、同じ胃にオンデマンドで薬を届ける様子を披露している。
また工学的な活用方法としては、無線回路を組立/修理するはんだ付けロボットの材料に利用可能だという。回路の届きにくい箇所へ浸透し、はんだと導体の機能を果たすことができる。また、ソケット内に流れてから固化できるため、ねじ込みが不要なネジとして機能できることも示した。
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Person-shaped robot can liquify and escape jail, all with the power of magnets — ScienceDaily