DARPA、次世代型大型輸送機「Liberty Lifter」の設計開発チームを選定

DARPA(アメリカ国防高等研究計画局)は2023年2月1日、戦略大型輸送機「Liberty Lifter」プロジェクトの実証機開発チームに、 米General Atomicsと米Aurora Flight Sciencesがそれぞれ率いる2つのグループを選定したと発表した。

Liberty Lifterは、海上にて戦略的および戦術的に重量物を運搬する、長距離航続可能かつ低コストな「地面効果翼機」だ。地面効果翼機とは、地表や水面近くを飛行する翼が大きな揚力を発生する「地面効果」を積極的に利用した飛行機で、通常の飛行機よりも積載量を大きくでき、航続距離も長くなるというメリットがある。一方で、大きな地面効果を利用するためには翼幅の半分程度の高度を維持する必要があり、荒れた海水面での運用が難しいというデメリットがある。

DARPAの実証機は、大型輸送機「C-17 Globemaster III」と同様のサイズおよび積載量を備えた飛行艇となる。要求性能として、波浪階級4(波高1.25〜2.5m)での離着水、波浪階級5(波高2.5〜4m)での継続的な地面効果飛行、そして地面効果を受けずに最大高度1万フィート(約3000m)で飛行できることなどが求められている。

General Atomicsは、水上での安定性と耐航性を最適化するために、双胴型で中翼のデザインを選択。また、12発のターボシャフトエンジンによる分散推進を採用した。一方、Aurora Flight Sciencesのデザインは単胴型の高翼で、伝統的な飛行艇に近い。エンジンはターボプロップ8発を積んでいる。

フェーズ1の契約期間は18カ月。6カ月の概念設計作業と9カ月の設計成熟度の向上を経て、予備設計審査が行われる。さらに製造計画と試験/実証計画の審査に3カ月かかる見通しだ。2024年半ばにはフェーズ2に移行し、詳細設計、製造、そしてフルスケールでの実証へと続いていく予定だ。

関連情報

DARPA Selects Performer Teams for Liberty Lifter X-Plane Program

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