世界最高エネルギー衝突型加速器LHCが生成したニュートリノを初観測 日本人若手研究者ら

暗黒物質の正体解明につながる未知粒子を探索することを目的したFASER国際共同実験に参加している日本人若手研究者らが、欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロンコライダー(LHC)が生成したニュートリノの観測に初めて成功したと、名古屋大学が2023年3月23日に発表した。この成果は同月19日に国際会議Moriond EW 2023で発表された。

FASER国際共同実験は、素粒子標準理論の背後にある未知の物理法則を探るため、暗黒物質の解明につながる素粒子の発見と未開拓の高エネルギー領域のニュートリノの研究を目指して、2017年に発足した。日本からは名古屋大や九州大学、高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所などの若手研究者らが、2018年から参加している。

LHCは高エネルギー物理学実験を目的として、CERNが建設した世界最大で最高エネルギーのハドロン衝突型加速器だ。周長27kmで、スイスとフランスの国境をまたいで建設された。2つのビームを正面衝突させ、静止した標的に加速した粒子を衝突させる手法に比べてはるかに高いエネルギーを生み出すことによって、より微細な構造を調べる実験が可能になる。

研究グループは衝突地点から480m離れた場所に既存のトンネルを改造して、シリコン検出器などを設置。ニュートリノが期待される信号領域において153イベントを観測した。

研究グループは、衝突型加速器を用いたニュートリノ実験の第一歩となる成果で、高エネルギーニュートリノに現れる素粒子標準理論を超えた物理の検証が可能になったとしている。

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兆候から発見へ:世界最高エネルギー衝突型加速器LHCが生成するニュートリノをFASER国際共同実験が初観測 – 名古屋大学研究成果情報

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