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ガス軸受モーター搭載の減圧装置となる真空ポンプを開発――ハイブリッド層流制御システムの実現に向けて IHI

IHIは2025年3月26日、航空機の空気抵抗を削減するための空力制御システムであるハイブリッド層流制御システム(HLFC)の実現に向け、ガス軸受モーターを搭載した減圧装置となる真空ポンプを開発したと発表した。HLFCとしての作動を想定した10分の1気圧で実証試験を実施し、世界で初めて成功した。

大幅に航空機の空気抵抗を削減する有望な技術であるHLFCは、飛行高度(約1万m上空)の希薄空気を吸い込む小型軽量で信頼性の高い大流量真空ポンプの実現が課題となっていた。今回、ハイブリッド層流制御用ガス軸受真空ポンプを独自に開発し、秋田大学の協力のもと、秋田大学電動化システム共同研究センターにて実証試験を実施した。

希薄空気で作動中のガス軸受真空ポンプ
(場所:秋田大学電動化システム共同研究センター)

開発した真空ポンプは、ガス軸受の使用により、軸受の摩擦と摩耗を最小限に抑える。高空の過酷な条件下でも動作の信頼性が高く、メンテナンスも軽減できる。また、最新の超高速回転機技術を採用したことで、航空機システムの重量増への影響を最小限に抑え、HLFC用途として空気抵抗の低減に寄与する。

希薄空気で空気浮上するガス軸受により、効率的に低真空環境で動作する設計を採用している。制御性が向上しており、飛行中の気圧変化に影響を受けずに性能を維持する。

関連情報

ハイブリッド層流制御用ガス軸受真空ポンプを開発し世界初の試験に成功~航空機の空気抵抗を大幅削減 燃料効率を改善しCO₂排出削減に貢献~ | 2024年度 | ニュース | 株式会社IHI

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