- 2025-3-28
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- 3Dプリンティング, Sierra Space, VORTEX, VR35K-A, 低軌道, 大型貨物輸送, 宇宙開発, 完全統合型のロケット第2段エンジン, 液体水素(LH2), 液体酸素(LOX), 短軸ターボポンプ, 米空軍研究所(AFRL), 防衛技術

Photo: Sierra Space
宇宙開発/防衛技術企業の米Sierra Spaceは2025年2月12日、完全統合型のロケット第2段エンジン「VR35K-A」の試験を完了したと発表した。
VR35K-Aは、液体酸素(LOX)と液体水素(LH2)を使用する高性能エンジンで、3万5000lbf(重量ポンド)の推力を誇る。起動/停止などの機能を合理化した短軸ターボポンプにより操作を簡素化している。燃料と酸化剤のバランスを正確に保つため、機械的に混合比を制御し、3Dプリンティングによって複雑な部品の製造コスト削減を図った。さらに同社特許技術「VORTEX」を採用し、効率的で安定した燃焼を可能にすると同時に燃焼室の冷却も可能だ。
今回行われたテストでは、ターボ機械の動作、混合比制御、スロットル調整、全体的なエンジン効率などの目標を達成したという。同社副社長のDan Polis氏はVR35K-Aについて、「軌道に届ける積載量を最大30%増やすことができる」とコメントしている。
同エンジンの開発は米空軍研究所(AFRL)と2023年7月に締結した2200万ドル(約33億円)超の契約に基づくもので、今後さらに開発を進めるため1600万ドル(約25億円)の追加契約を獲得したことも明らかにしている。同社はVR35K-Aの用途として、低軌道や、低軌道より上への大型貨物輸送などを視野に入れている。
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