環境にやさしい材料を使用し、耐久性に優れた熱電モジュールを開発 アイシン高丘

アイシン高丘は2023年4月12日、熱電モジュール「ProVo(プロボ)」を発売した。環境にやさしい鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)を使用し、耐久性に優れている。

熱から電気を直接変換することができる熱電材料を用いた熱電モジュールは、周りの環境から微小なエネルギーを収穫し、電力に変換する技術(エネルギーハーベスティング技術)として注目されているが、材料の希少性、毒性、耐久性に課題があった。そこで、環境にやさしい材料を使用し、耐久性に優れたProVoを開発した。

材料の主成分には、環境に優しく、入手しやすい原料である鉄、アルミニウム、バナジウムを使用しており、ビスマス(Bi)、テルル(Te)、Se(セレン)は含まれていない。

また、熱電チップを鋳造で製造することに成功。鋳造で作られた熱電チップは、熱や振動に強く、高耐久、高強度で、2000サイクルの熱サイクル試験経過後も内部抵抗が変化せず、安定した発電ができる。さらに、再溶解、焼結工程を削減でき、量産効果が高くなっている。

サイズ約16.6×18.8×3.8mm、重さ約2.5g。内部抵抗は1.0±0.1Ω、開放電圧は70mV±15mV(周囲温度25℃時、40℃の熱源に自然空冷ヒートシンク付)となっている。使用温度は-40~170℃。鉛フリーの半田を使用している。

熱電モジュール単体で販売するため、ヒートシンクや昇圧回路を取り付ける必要がある。今後、ProVoをキット化し、手軽に熱を電気に変換し、利用できるデバイスの販売を予定している。

「ProVo」にヒートシンクを取り付けた熱電モジュールキット

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ニュース記事タイトル | ニュース | アイシン高丘株式会社

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