- 2023-6-14
- 制御・IT系, 技術ニュース, 海外ニュース
- AI, Anthropic, ChatGPT, Claude, Claude-Instant, GPT-4-32k, OpenAI, グレート・ギャツビー, 人工知能
人工知能スタートアップの米Anthropicは2023年5月11日、AIツール「Claude」が扱えるテキスト量を従来の9000トークンから10万トークン(約7万5000語)に拡張したと発表した。これにより、数百ページに及ぶ資料を数十秒で読み込み、理解できるようになるという。
Claudeは、OpenAIの「ChatGPT」の競合と言えるものだ。ChatGPTでは、最新のGPT-4のコンテキスト数は8192トークン。また、GPT-4-32kという3万2768トークンの限定アクセスも提供している。
それに対し、Claudeは10万トークンのテキストを扱えるようになった。平均的な人はこの分量を読むのに5時間以上かかり、その情報を消化し、記憶/分析するにはさらなる時間を要する。
Claudeは、この作業を1分もかからずに行えるようになったという。『グレート・ギャツビー』の全文をClaude-Instant(7万2000トークン)に読み込ませ、その内容を1カ所だけ修正。何が違うか見つけるように指示したところ、22秒で正解した、という事例が挙げられている。
さらにClaudeは、単に長い文章を読むだけでなく、ビジネスの運営に関わる文書から情報を上手く取り出すことができる。複数の文書、あるいは1冊の本を読み込ませると、テキストの多様な部分にまたがる知識を統合しないと答えられない質問にも答えることが可能なのだ。
同社は、拡張されたClaudeを使うことで、「財務諸表や研究論文のような高密度なドキュメントを消化し、要約し、説明する」、「複数の法律文書にまたがるリスク、テーマ、さまざまな議論の形式を特定する」、「何百ページもの開発者向けドキュメントに目を通し、技術的な質問に対する答えを明らかにする」といったこともできるとしている。