- 2018-2-5
- 技術ニュース, 機械系
- 東京農工大学, 次世代インクジェット技術
東京農工大学は2018年2月2日、蜂蜜のような粘り気の強い液体を射出できる装置を新たに開発したと発表した。次世代インクジェット技術をはじめ、幅広い分野での応用が期待される。
現状の液体を射出する技術では、液体を小さな穴から押し続けることで液体ジェットを射出している。しかし、射出液体は、水のような粘り気のない液体に限定されているため、滲みや希釈インクによる発色性の悪化など品質の低下が問題となっていた。
研究グループは今回、液体の入った容器内に液面差をつけた細管を挿入し、容器に打撃を与えることで液体を射出する装置を開発。細管内の液体を非常に効率良く加速できることを発見した。その装置では、水の1000倍の粘度を持つ液体やマニキュアのような特殊な液体の射出が可能で、そのメカニズムも高速度カメラを用いた実験および数値シミュレーションにより明らかにした。
この成果により、3Dプリンタや金属配線などに用いられる液体樹脂や金属などの特殊な液体も射出できる見込みがあるという。また、生体印刷や無針注射など医療分野への貢献も期待できるとしている。