イスラエルのElbit、民間空域を飛行できる軍用ドローン「Hermes 900 UAV」を発表

イスラエルの軍需企業Elbit Systemsは、無人航空機システム（UAS : Unmanned Aircraft System）である「Hermes 900 Starliner」を発表した。同機は、民間空域において有人航空機と同様に飛行するための認証を取得している。

Hermes 900 Starlinerは、国土安全保障、法執行、国境警備、海上パトロール、農業、工業検査、災害状況調査などの民間用途に対応する。主な性能は、最大離陸重量1600kg、最大積載量450kg、飛行高度は3万フィート（約9100m）だ。

同機の設計／製造は、NATOのSTANAG 4671 UAS認証要件に準拠する。空対空レーダーセンサーを組み込んだDetect & Avoidシステムを搭載し、協調制御で飛行する航空機と非協調的な航空機の両方を検出するほか、地形認識警報システム（TAWS）も搭載する。

同機の性能は、悪天候への対応能力も特徴だ。防除氷装置、直接／間接的な雷撃への耐性、ゼロ視界での着陸能力、冗長構成の自動離着陸（ATOL）能力を持つ。さらに、計器飛行方式（IFR）にも対応する。動力源は、灯油を使用するヘビーフューエルエンジン（HFE）だ。

Hermes StarLiner GCS（Ground Control Station）は、従来のHermes UASファミリーと民間航空機のコンセプトとディスプレイに基づいた設計だ。GCSの各クルー用コンソールは、パイロットとペイロード・オペレーターの双方の役割を操作できる。

過去30年間で、同社のHermesファミリーのUASは、60万時間以上の運用飛行した実績を積んでいる。