古い技術に現代の技術を組み合わせた建築設計で、電力を消費しない冷却システムの能力を向上

ワシントン州立大学(WSU)の研究チームが、水の蒸発とウインドタワーを利用して空間を冷やす、パッシブ・クーリング・システムを実験的に導入した。同技術は、電力を消費しない炭素排出フリーの冷却システムとして期待されている。

同研究成果は2023年5月27日、「Energies」誌に掲載された。

人口の増加と地球温暖化に伴い、冷房の需要は、2050年までに倍増すると予想されている。エアコンは電力を消費し、世界の温室効果ガス排出要因の約4%を占めている。そのため、エアコンに頼らず、温室効果ガスを大気に排出しないで建物を冷却する方法が期待されている。

ウインドタワーを使ったパッシブ・クーリング・システムは、電気を使用せずに建物を冷やす、古くからある技術だ。タワーの上部に湿気の層を設けることで、蒸発によって空気が冷やされ、重くなった冷たい空気が下の居住空間に流れ、冷却する仕組みだ。

研究チームは、同システムの冷却能力を向上させるため、現代の技術を組み合わせた建築設計に取り込み、約5.6m2のコンテナに試験室を設置した。同試験室は、蓄電池を備えた太陽光発電式で、系統電力から完全に独立している。年間を通して52~54℃に加熱でき、クーリング・システム内と周辺の温度と湿度、気流速度を測定しながら、システムの効果を試せる。

研究チームは、試験室を利用したクーリング・システムの試作機をいくつか設計/製作し、その結果を通じて、実用規模でのシステムを検討しており、産学連携を望んでいる。将来、同技術の実用化により、エネルギー需要の大幅な削減が期待できる。

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