アルテミス計画に向けた月面用カメラ「HULC」を、NASAとESAがテスト中

© ESA–A. Romeo

アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)は、有人月探査を目指す「アルテミス計画」に向けて、記録用カメラ「Handheld Universal Lunar Camera(HULC)」を共同開発している。ESAは2023年10月24日、同カメラのテスト状況を発表した。

HULCは、市販のカメラをベースに、NASAが月面仕様に改造したものだ。月面の運用では、マイナス200℃~120℃の温度と粉塵からカメラを保護するため、カメラをブランケットで覆い、宇宙服での操作に適したボタン設計などの工夫が施されている。

テストは、月面に似た地形のあるスペインで実施し、月面での地質調査活動やフィールドワークの手法を宇宙飛行士が習得する訓練プログラム、「PANGAEA」に沿って運用した。テストの体制は、NASAのチームがHULCの試作機を持ち込んだかたちとなる。

月面探査活動において科学的発見を記録する上で、画像情報は不可欠だ。PANGAEAプログラムでは、月面探査に最も適したレンズをいかに選ぶか、という点も慎重に検討された。

開発過程を通して、カメラのコア機能は同一ながら、操作インターフェースとハウジングの仕様は、常に進化を続けている。現在開発中のバージョンの1つは、近い将来、国際宇宙ステーションでの追加テストに向けたフライトで使用される予定だ。

関連情報

ESA – Next generation Moon camera tested in Europe

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