- 2023-11-22
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- Handheld Universal Lunar Camera(HULC), PANGAEA, アメリカ航空宇宙局(NASA), アルテミス計画, ハウジング, ブランケット, 操作インターフェース, 有人月探査, 欧州宇宙機関(ESA), 記録用カメラ
アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)は、有人月探査を目指す「アルテミス計画」に向けて、記録用カメラ「Handheld Universal Lunar Camera(HULC)」を共同開発している。ESAは2023年10月24日、同カメラのテスト状況を発表した。
HULCは、市販のカメラをベースに、NASAが月面仕様に改造したものだ。月面の運用では、マイナス200℃~120℃の温度と粉塵からカメラを保護するため、カメラをブランケットで覆い、宇宙服での操作に適したボタン設計などの工夫が施されている。
テストは、月面に似た地形のあるスペインで実施し、月面での地質調査活動やフィールドワークの手法を宇宙飛行士が習得する訓練プログラム、「PANGAEA」に沿って運用した。テストの体制は、NASAのチームがHULCの試作機を持ち込んだかたちとなる。
月面探査活動において科学的発見を記録する上で、画像情報は不可欠だ。PANGAEAプログラムでは、月面探査に最も適したレンズをいかに選ぶか、という点も慎重に検討された。
開発過程を通して、カメラのコア機能は同一ながら、操作インターフェースとハウジングの仕様は、常に進化を続けている。現在開発中のバージョンの1つは、近い将来、国際宇宙ステーションでの追加テストに向けたフライトで使用される予定だ。