銅を混ぜて感染耐性のある外科用インプラントを開発

Photo by WSU Photo Services

ワシントン州立大学などの共同研究チームが、強度と生体適合性を保ちながら、感染症の原因となる細菌を87%死滅させる、外科用インプラントを開発した。

同研究成果は2023年11月17日、「International Journal of Extreme Manufacturing」誌に掲載された。

同研究の目的は、世界中で毎日行われている、人工股関節置換術や人工膝関節置換術などの一般的手術での細菌感染防止だ。インプラントの細菌繁殖は、インプラントの不具合や予後不良の主な原因のひとつである。

人工股関節や人工膝関節などの手術用インプラントに使われるチタン合金は、50年以上前に開発されたもので、感染耐性を持たない。重度の感染症は手術直後や数週間後、数カ月後に二次感染を引き起こす可能性がある。

インプラントに感染症が発生すると、医師は抗生物質を全身に投与して治療する。しかし、インプラント手術の約7%の症例で、医師は再置換術をしなければならず、インプラントを除去して患部を洗浄し、抗生物質を追加して別のインプラントを埋め込む。

同研究では、3Dプリント技術を使って、チタン合金に耐食金属のタンタル10%と銅3%を加えた、インプラントを開発した。細菌がインプラントの銅表面に接触すると、ほとんどの細菌の細胞壁は破壊される。結果、同インプラントは細菌繁殖を抑え、細菌感染耐性を持つ。

一方、タンタルは周囲の骨や組織との健全な細胞増殖を促し、患者の治癒を早める。研究チームは、同インプラントの包括的な研究に3年を費やし、実験用と動物モデルの両方で機械特性と生物反応を評価した。また、摩耗したインプラントの金属イオンが近くの組織に移動し、毒性を引き起こすことがないかも確かめた。

研究チームは、組織の統合性を損なうことなく、細菌死滅率99%以上を目指している。また、人工膝関節置換術後のハイキングなどの実際の負荷条件下で、開発した材料の性能評価も検討している。

関連情報

Infection-resistant, 3D‑printed metals developed for implants | WSU Insider | Washington State University

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