- 2023-12-15
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- Rolls-Royce, Simon Burr, Trent XWB, Tufan Erginbilgic, UltraFan, ジェットエンジン, ナローボディ機, ネットゼロ, ワイドボディ機, 大型航空機エンジン, 持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel:SAF), 温室効果ガス
英Rolls-Royceは、2023年11月13日、開発中の次世代ジェットエンジン「UltraFan」の技術実証機が最大出力運転に成功したと発表した。UltraFanは、稼働中の大型航空機エンジンの中で最も効率の良い「Trent XWB」よりも効率が10%向上している。
初代Trentエンジンと比べると、25%性能が向上しており、航空機による環境負荷を低減する役割も期待されている。同社は、2050年までに温室効果ガス排出量をネットゼロにする目標を掲げており、同社のエンジニアリング・技術・安全担当グループディレクターであるSimon Burr氏は、持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel:SAF)で100%稼働するUltraFanのような高い効率の最新世代ガスタービンを組み入れれば、目標としている削減量全体に対して、約80%達成できるだろうと推測している。
また、UltraFanが生み出す推力は2万5000~11万ポンドに拡張可能であり、2030年代に導入予定の新しいナローボディ機およびワイドボディ機に搭載されて動力源となる可能性を秘めている。
UltraFanの技術実証機は2023年5月に最初の試験に成功して以降、徐々に出力を上げてきており、CEOのTufan Erginbilgic氏は「UltraFan技術実証機で最高出力を達成したことは、Rolls-Royceが革新と技術の最先端にあり、より効率的で持続可能な航空への移行をリードしているという強いメッセージとなります」とコメントした。