Rolls-Royce、宇宙ミッションを想定した超小型原子炉のコンセプトモデルを公開

英Rolls-Royceは、2023年11月21~23日に開催されたUK Space Conference 2023で、超小型原子炉(マイクロ炉)のコンセプトモデルを発表した。この開発計画は、イギリスの宇宙庁が支援する研究プログラムの一環で、月面での運用に向けた実証実験を目指す。

同イベントでは、宇宙ミッションでのマイクロ炉の活用に関心を持つ、多様な業界から注目を集めた。同社のチームは、欧州宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士であるTim Peake少佐を始めとした来場者を迎えて、同技術の宇宙への展開計画を説明した。

同社は本計画に関連して、2023年3月、イギリス宇宙局から290万ポンド(約5億2千万円)の支援を獲得している。このプログラムでは、月面基地の運用に必要な、核燃料による動力の利用方法を研究してきた。

同社の開発者らは、マイクロ炉の3つの特徴(熱を発生させる燃料、熱伝達の手段、その熱を電気に変換する技術)に焦点を当て、開発を推進してきた。今回のイベントでの発表は、2023年の研究における集大成と位置付けられている。

宇宙ミッションにおいて、動力源は不可欠である。このマイクロ炉には、自己完結型で電力密度が高いなどの強みがあり、惑星表面の居住や探査、あるいは宇宙船の推進に必要な電力を提供できる。

比較的小型で軽量なマイクロ炉は、設置場所、日照などの環境条件に関係なく、継続的に電力を提供する手段となる。Rolls-Royceは、2030年代初頭までに製品を月に届ける計画だ。

関連情報

Rolls-Royce unveils Space Micro-Reactor model for Moon exploration

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