- 2023-12-17
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- ecO2, Jonathan Rivnay, Nature Communications, スパッタリング, ノースウェスタン大学, 埋め込み型装置, 学術, 水分解, 治療薬, 生体細胞, 酸化イリジウム電気分解用電極, 酸素
米ノースウェスタン大学を中心とする共同研究チームが、生体細胞を使用して治療薬を生産する、埋め込み型装置を開発した。同装置は、エネルギー効率の高い水分解によって酸素を生成して細胞に供給する。
同研究成果は2023年11月9日、「Nature Communications」誌に掲載された。
生体細胞を用いた治療法は、損傷組織の置換や薬物伝送、治癒メカニズムの補強に使用できる可能性を持つ。例えば、肥満や糖尿病、がんの治療が期待できる。生体細胞によって治療薬を十分に生産させるためには、多くの細胞を活発に働かせるための十分な酸素供給が必要である。そのため、その場での酸素生成が非常に重要であり、水から酸素を生成する電気分解は有力な方法だ。
研究チームは、開発した電極触媒内蔵酸素生成装置「ecO2」を用いて、試験管内の低酸素条件下では1カ月近く、生体内では数週間、70~80%の細胞を生存させることに成功した。一方、ecO2がない場合、10日後には約20%の細胞しか生きられないことを確認した。
ecO2デバイスの成功理由には、スパッタリングした酸化イリジウム電気分解用電極がある。装置内部の細胞は、塩分と栄養分を含んだpHが中性の水溶液環境下で生きている。その場合、電気分解に用いる通常の電極では、分解電圧が高くなり、消費電力が大きくなるとともに、塩素などの有害な副生成物の発生が危惧される。酸化イリジウムは、低電圧で電気化学反応を促進させ、副生成物を生成せずに、水を水素と酸素に電気分解できるのだ。
現在、研究チームは、ecO2の長期的な展開に焦点を当て、数カ月間にわたり体内で使用できる安定な材料の開発に取り組んでいる。
ノースウェスタン大学のJonathan Rivnay教授は、「本技術によって、より小さく、より強力で制御された細胞治療装置が可能になると信じています。私たちの目標は、本技術を臨床に応用することです。現在、さまざまな疾患モデルを模索しています」と説明した。
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