大気の汚染物質と水から航空燃料を製造するスタートアップが2000万ドルを調達

Photo credit: Meagan Helton

二酸化炭素を原料に持続可能な航空燃料(SAF)などを生産するスタートアップのDimensional Energyは、2000万ドルのシリーズA資金調達ラウンドを成功裏に終了したことを発表した。また、デラウェア州公益法人憲章を申請し、社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対する認証制度である、Bコーポレーション認定を目指すことを明らかにした。

同社の最先端技術は、二酸化炭素をSAFや再生可能ディーゼル、6000種類以上の日用品に精製可能な合成パラフィンに変換するものだ。二酸化炭素の回収と再生可能エネルギーを利用する同社のプロセスは、GREETモデルによる評価で、炭化水素燃料のライフサイクル排出量を93%以上削減することができるとされている。

Dimensional Energyが作り出す製品には、2種類の分子、二酸化炭素と水素が使われている。二酸化炭素は大気中あるいは産業プロセスや発電施設から回収されるもので、水素は水を電気分解して得られている。原料が投入されるリアクター内では、同社独自の触媒が二酸化炭素の分子結合を切断して一酸化炭素を生成する。そして一酸化炭素は水素と混合されて「syngas」と呼ばれる合成ガスとなる。

このsyngasは、高圧下で触媒が封入された反応管を通って、フィッシャー・トロプシュ(Fischer-Tropsch)法により、炭化水素に変換される。分子量が増えるに従い、炭化水素は気体から液体、そして固体のワックスへと変化するが、それぞれが適切に分離されて燃料や化学製品など、さまざまな製品へと加工される。

同社はこのプロセスを利用した、B2CおよびB2B向けの製品の製造を計画している。具体的には「化石燃料を使用しない」サーフワックスや、ビーガン食品メーカー向けの「動物虐待と無関係な」油脂製品になるという。

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