通信業界の仕事内容とは?キャリアややりがい、平均年収に関して

最も身近な通信手段であるスマートフォンは、現代人の生活や仕事に欠かせない存在になっています。電話に加え、インターネット接続を利用した様々なサービスを提供する便利なスマートフォンを支えているのが、通信業界で生み出されてきた先端技術です。

スマートフォンだけでなく、通信技術は社会のインフラを支え、より便利な社会を実現するために進歩し続けています。年々重要性が高まり、成長が期待できる通信業界に興味があるエンジニア向けに、仕事内容や求められるスキル、待遇、会社選びのポイントなどを詳しく解説していきます。

通信業界の代表的な職種

通信業界とは、電話やインターネットといった通信インフラを提供する業界全般のことを指します。総務省が発行している「令和5年版 情報通信白書」によると、2021年度の情報通信産業の国内生産(名目)は52.7兆円で、前年(52.2兆円)と比較して0.8%の増加となっています。

そんな通信業界の代表的な職種としては、研究開発、ネットワークエンジニア、セールスエンジニア、データサイエンティストなどが挙げられます。

研究開発

最新の通信技術を研究し、社会のニーズに応える製品やサービスの開発をする仕事です。近年では5GやIoT、AI、ロボットなど研究対象は多岐にわたり、最新技術を融合した新たな価値の創出が期待されています。

ネットワークエンジニア

ネットワークシステムの企画や設計、機器の開発、保守、運用、サーバー管理など、安定したシステムの構築に必要な仕事全般を担います。営業やプログラマーなどと連携して作業を進め、プロジェクトチーム全体をサポートします。

セールスエンジニア

通信技術や機器の知識を生かしながら、営業活動にも従事する仕事です。顧客の疑問や要望に応えながら営業を進められる強みがあり、契約につながる可能性を高めます。システムの導入や利用支援にも関わるため、幅広いスキルと知識が求められます。

データサイエンティスト

顧客から集められる大量のビッグデータを分析/活用することで、新たなサービスの開発や改善を支援する仕事です。分析したデータは重要な意思決定をするための判断材料になり、企業の成長に大きく貢献する職種のため、重要性が高まっています。

通信業界に向いている人の特徴

現在の社会システムは通信インフラの存在なしには成り立たなくなっており、今後もその傾向が続くことが見込まれます。通信インフラは問題なく運用されることが当然とされ、大規模なトラブルが起きると影響が広がり、メディアからの批判にさらされることも珍しくありません。それだけに、通信業界には強い責任感を持ち、社会貢献に強い関心のある人が向いています。また、通信技術は目まぐるしく進歩していることから、日々最新情報を収集し、スキルの習得に励むどん欲さも求められます。

変化の激しい業界のため、柔軟性を持って、指示がなくても主体的に取り組む姿勢が求められます。新しい環境や仕事内容でも、楽しみながらチャレンジできるポジティブな考え方の人が向いていると言えるでしょう。さらに、プロジェクトはチームで協力しながら進めるため、チームワークを重視する姿勢や、論理的な思考力も重要です。

責任の重い大変な仕事ですが、自分が関わったプロジェクトが社会を支えていることを実感するとき、大きな充実感が味わえる魅力的な仕事です。

通信業界に求められるスキル

通信業界では、専門知識や業界での経験が重宝されますが、通信設備の設置工事や、エンジニアのサポート業務などのポストは、未経験でも採用される可能性があります。円滑に業務を進める上で必要なことから、コミュニケーション能力や論理的な思考力などが採用の判断材料になるため、日々、意識してスキルの向上に努めるといいでしょう。

また、取得しておけば有利になる資格として、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、ネットワークスペシャリスト試験、システム監査技術者試験、電気工事士、語学関連などが挙げられます。特に国家資格のネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークに関わる高度な技術力をアピールできるため、おすすめです。通信業界を目指すのであれば、就職や転職の準備段階で資格を取得することも検討しましょう。

気になる年収相場

エンジニアを専門に転職支援を行うメイテックネクストの東京支社長 梅津 太一氏によると、5G及び次世代通信(6Gなど)の研究や開発の求人が各社から出てきています。

6Gは基地局機器や端末メーカーの日本電気(NEC)、京セラ、住友電気工業の求人があり、次世代通信を利用してサービス提供したい自動車メーカー(トヨタグループ)や、総合電機メーカー(ソニーグループ、三菱電機)は、無線通信の伝搬技術研究や、映像の伝送技術研究の求人を展開し、即戦力性の高い研究者の採用に向けた動きがあります。また、量子暗号や光電融合技術に関する求人が出てきており、HAPS(High Altitude Platform Station)の研究を行う企業もあります。次世代技術の研究領域の求人となるので、1,000万を超える年収帯での採用も多いです。

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通信業界に関する求人の会社選びのポイント

通信業界と一口に言っても業種は様々で、「通信業」「放送業」「情報サービス業」「映像・音声・文字情報制作業」などがあります。そのため、自分がどの業種を希望するかによって、会社選びにも影響があります。

例えば、通信業界の中でも市場規模が大きな通信業は、固定電話や携帯電話回線などの通信インフラの提供を手掛けます。代表的なのがNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルなどの「キャリア」と呼ばれる携帯電話の回線業者で、インターネット回線や接続サービスを提供する事業者も電気通信事業者に当たります。

会社選びにおいては、まず何を最優先するのかを決める必要があります。待遇と福利厚生の充実度、安定性を求めるのであれば企業の規模を優先し、職種を優先するのであれば業種を定め、関連企業の情報を集めます。1人での活動には限界があるため、多くの求人情報を持ち、経験豊かなコンサルタントのサポートが受けられる転職エージェントに登録することをおすすめします。

通信業界に関する求人への転職なら「メイテックネクスト」

メイテックネクスト 東京支社長 梅津太一氏のコメント

通信業界の求人、中でもエンジニアや研究者の採用は、通信企業だけでなく、その通信企業に通信機器を提供する企業や、その通信をサービスとして利用しようとしている企業からも求人は出ています。

特にサービス系は、IT企業だけでなく、モビリティサービスを展開したい自動車メーカーや建機、農機を使ってICTサービスを行う重機メーカーも競うように研究を進めています。また、コンテンツ配信や家電をIoT化したい総合電機メーカーも研究を行っており、通信の技術に精通するエンジニアの転職先は拡大傾向なため、どの立場で通信に携わりたいか?を選ぶこともできる市況となっています

メイテックネクストでは、保有技術からのマッチングは勿論、「どの立ち位置で働くことがご本人様にとって良いのか」までを考えて、エンジニアの皆さんにサービスを提供いたします。

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まとめ

日本では国を挙げ、ITの活用を通じて競争力を向上させる目的でDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されています。DXを進める上で重要になる要素の1つが通信技術の向上であることから、今後も投資額の増大や高い成長が見込める将来性のある業界となっています。

通信業界では人材不足の状態が続いており、専門知識や業界での経験のある人材に対する需要は旺盛です。職種によっては未経験でも採用される可能性があるため、これから通信業界でキャリアを積みたい人にとってはよいタイミングと言えます。業界や企業についてよく調査をして、希望通りの転職を成功させましょう。

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記事監修
梅津 太一(メイテックネクスト 東京支社長)
中小から大手メーカーに対する採用コンサルティングを4年、その後はキャリアアドバイザーとして11年、延べ4000名以上のエンジニアのキャリアカウンセリング経験を持ちます。得意としていることは「求職者の強みの抽出」と「要素技術軸、工程軸(方法論)でのマッチング」です。昨今のマーケットは先が読みくいが故、自身が今どのような経験を積むべきか、また、どの分野(強み・弱み)に負荷をかけ成長を促すかを求職者と一緒に考えていきたいと思います。


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