エンジニアが転職する上で、押さえておくべきことを徹底解説。注意点や年齢別のポイントも

近年は、転職してキャリアアップを図ることが珍しくない時代になりました。特にエンジニアの技術力は多くの企業が求めているため、より良い条件の会社に転職できる可能性が高いです。

もちろん、一社に長く勤めることは悪いことではありません。しかし、同じ環境のままでキャリアアップをしていない人は、リストラなどで路頭に迷うリスクが高くなります。

とはいえ、転職によるキャリアアップは不安が大きいため、いま一歩踏み出せない人も多いのではないでしょうか。

この記事では、エンジニアの転職で押さえておきたいポイントを解説します。転職を考えている方は、ぜひご覧ください。

エンジニアの転職市場

一昔前の日本では、会社は定年まで勤め上げるもので、転職はネガティブなものと考えられていました。しかし、近年は年功序列や終身雇用の制度が崩れ始め、新卒採用者を長期的に育成する従来の「メンバーシップ型雇用」から、中途採用者を即戦力として起用する「ジョブ型雇用」に移行し始めています。そのため転職は当たり前のものとなり、転職市場では求人が増加しています。

特にエンジニアのスキルはどこでも通用するポータブルスキルであり、さらにこれからDX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)などを推進する企業が増えるため、エンジニアの転職市場はますます流動性が増すでしょう。

メイテックネクストがまとめた、2022年8月の「エンジニア求人動向のお知らせ」で2018年1月~2022年7月までのエンジニア求人推移を見てみると、2018年1月の求人件数は1万5000件弱だったのに対し、2022年7月には2万3774件と1.5倍以上に伸びています。パンデミックなどの社会情勢により短期的に落ち込むことがあっても、長期的にはこれからも伸びていくことが予想されます。

メイテックネクスト「エンジニア求人動向のお知らせ」より

エンジニアが転職する上で押さえておきたいポイント

スキル不足で応募していないか

これから主流になっていくことが予想される「ジョブ型雇用」では、基本的に即戦力が求められます。そのため、求人に応募する際は、スキルや経験が足りているかを見極めることがポイントになります。これまで培ってきたスキルや経験を棚卸しして、自分ができることを洗い出しましょう。

求人の条件に対してスキルや経験が不足している場合は、今の会社でもっとスキルや経験を高めてからチャレンジするのも一つの方法です。自分の市場価値を上げて選考に臨めば、採用されやすくなり、年収などの条件交渉でも有利になります。

ポテンシャル採用でスキルや経験を不問とする場合もありますが、特に未経験歓迎の求人は年収などの条件が比較的悪くなりがちです。転職でキャリアアップを目指すならば、今の会社でできる限り市場価値を高めることを考えましょう。

キャリアプランを明確にしているか

今の会社が嫌で仕方がない場合、「どこでもいいから転職したい」と焦ってしまいがちです。しかし、焦って転職先を決めてしまうと、同じようなミスマッチを繰り返すことになりかねないため、注意しなければなりません。

また、焦って転職先を決める場合は、年収ダウンなども甘んじて受け入れる傾向があります。ミスマッチで年収も下がるとなると、転職しない方が良かったと後悔することになります。

このミスマッチを防ぐには、どのようなエンジニアを目指すかというキャリアプランを明確にすることがポイントです。そのキャリアプランを達成できそうな会社で、かつ自分が貢献できる会社を選べば、Win-Winの関係になりミスマッチを減らせます。                              

転職先への条件が多過ぎないか

転職は仕事内容や給与、勤務時間、休日、勤務地、職場環境、転勤の有無、リモートワークの有無、福利厚生、経営方針など、さまざまな条件を考慮する必要があります。

しかし、全ての希望条件を満たす会社はないに等しいため、理想を求め過ぎると転職活動が思うように進みません。そのため、転職活動がうまくいかない場合は、転職先に求める条件が多過ぎないか見直すことも重要です。

転職先に求める条件が多い場合は、優先順位を決めることをおすすめします。そして、これは絶対に譲れないという希望条件とともに、これは絶対に避けたいという条件も明確にしておきましょう。これにより「ベストではないけど、一番ベターな会社を選べた」と納得のいく転職ができます。

年齢別、転職ポイント

20代

20代での転職は、即戦力となるスキルや経験がなくてもポテンシャルで採用してもらえる可能性が高いです。そのため、未経験でも若さとやる気さえあれば、幅広い職種の求人にチャレンジできます。

社会人経験1〜3年ほどであれば「第二新卒」という枠もあります。ただし、社会人経験1〜3年で転職する人は「またすぐ転職してしまうのでは?」と危惧される可能性があります。第二新卒はメンバーシップ型雇用で長期育成することを前提に採用するため、転職理由とキャリアプランを明確にしておきましょう。そうすることで志望動機に説得力が出て、企業側の不安も払拭できます。

技術的なスキルや経験が少ない場合は、コミュニケーション能力などのソフトスキルを上手にアピールできるとよいでしょう。

30代

30代の転職は20代に比べると、即戦力としてのスキルや経験を求められることが多いです。ただ、必ずしも転職先が同業種や同職種である必要はありません。これまでのキャリアを少しでも活用できる求人を探すとよいでしょう。また、エンジニアが関わる技術は日進月歩のため、常に新しい技術を勉強してスキルを向上させていることをアピールできると、30代でも適応力があると判断され好印象です。

40代

40代になると、プレイヤーとしてのスキルや経験とともに、マネジメントの経験を求められることも多くなります。プレイヤーとしてのキャリアプランを描いている場合でも、チームや組織全体のことを考えて貢献したことや、改善したことをアピールできるとよいでしょう。

また40代は、組織に順応する柔軟性があるかどうかも見られます。新しい職場では上司や先輩が年下になることも多いため、そのような環境で変なプライドや頑固さがなく、うまく人間関係を構築できる人当たりの良さなども重視されます。

40代の転職は、選択肢が少ないイメージがあります。しかし、これまで培ってきたキャリアを異業種や異職種で生かすことにより、転職の幅は広がります。

少しでも転職に関して悩んだらプロのエージェントに相談

転職活動をする際に気を付けたいのは、自分を「過小評価」もしくは「過大評価」することです。自分を過小評価してしまうと、もっと良い条件で転職できるのにもったいない選択をすることになります。逆に過大評価すると、書類選考すら通過できないエントリーを繰り返すことになり、時間と労力を無駄にするだけでなく、精神的にも疲弊します。

そこでおすすめしたいのが、プロの転職エージェントへの相談です。エージェントは、数多くの転職者を見てきているため、転職市場での価値を的確に判断できます。企業に対して適切な条件交渉もできるため、自分で交渉するより納得のいく結果になりやすいです。

またエージェントは、転職者のこれまでのスキルや経験をヒアリングして、魅力的なキャリアプランを提案できます。そして、そのキャリアプランを達成できる企業を、非公開求人を含めた膨大な求人情報の中から紹介できます。

さらに、エージェントは企業の採用担当者が求める人物像を把握しているため、これまでのスキルや経験を効果的にアピールできる履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策などについても助言をしてくれるでしょう。

エンジニア転職に関してよくある相談

エンジニアを専門に転職支援を行うメイテックネクストによると、求職者から以下3つの質問を受けることが多いそうです。

1、 年収UP≒市場価値向上 
2、 未経験からのチャレンジ、未経験分野へのチャレンジ
3、 将来的にフリーランスになるための準備

それぞれの質問へのメイテックネクストの回答を紹介します。

年収を上げるためにはどうしたらよいか?

A:個別性の高い話になりますが、大きくは3つです。
1、給与水準の高い業界へいく
2、開発・担当業務のフェーズを上げる(上流工程)
3、希少性やニーズが高い経験や言語や資格を習得する

給与水準の高い業界への転職例としては、コンサルや金融に絡む業界へいくことです。
フェーズアップやスキルアップは共通しますが、一つの例としてプロジェクトで採用されることの多いアジャイル開発を経験出来る仕事に就くことで、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーとしてフェーズを上げられます。

実務経験はないが、SEなどエンジニア職に挑戦することは可能か?/SES、SIerから社内SEへ転職できるか?/キャリアチェンジ(開発↔インフラ、開発↔データサイエンティストなど)はできるか?

A:実務経験がない場合でも、学生時代に情報系の履修をしていたり、現時点でIPAなどの資格習得に取り組んでいたり、プログラミングスクールでプログラミングを習得されている方であれば、IT業界への転職は可能です。

また、今のタイミングでいえば、20~21年卒で大手メーカーの第二新卒採用実績もあります。企業によっては組織の若返り、育成前提のポジションもありますので、未経験者をどのポイントで選考するかが重要です。また、オブジェクト指向言語(C、Java、Pythonなど)を習得するのも有効な手段です。オブジェクト指向言語とは、一つの機能を一つのソースコードで管理し、それらを統一して一つのシステムを開発するための言語です。オブジェクト指向を使用すれば、複数人でのプログラミング作業を上手く分担することができるため、仕事をスムーズに進められ、プレイヤーからプロジェクトリーダーへフェーズを上げられます。

キャリアチェンジについては、これも一例ですが、G検定、統計検定などデータサイエンス分野の資格の取得、Kaggleの参加実績などがあれば、未経験でも可能性はありますし、キャリアチェンジにおいても、共通して活かせる経験を整理、アピールすることで道は拓けると思います。

将来フリーで仕事をしたいが、そのためにどんなスキルが必要でしょうか?

A:シンプルに人脈が必要となります。どんな会社にいたか、どんなプロジェクトをやってきたか、規模や金額、クライアントがどこかなど、ある種、名刺代わりになるような実績が必要です。前述のような仕事をしてきた仲間やお客様が人脈となり、仕事が貰えるリソースとなります。また、実績をつくるということはプロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーとしてマネジメントや要件定義を行うことであり、ITコンサルタントとして活躍することです。

エンジニアの転職なら「メイテックネクスト」

前述のような質問を多数いただく中で、メイテックネクストは、「行きたい方向に行けるための道筋」のご提案と、「その道筋に行くために現時点でのご自身の武器」を抽出・整理することに重きを置いています。

行きたい道にいくのが難しい、あるいは見つからないと言われるケースがよくありますが、実はそうではなく、あくまで現時点で可能性が低い、ということなのです。大きな夢や野望があった方が弊社もやりがいがありますし、そのギャップを埋めるための提案が出来るように、日々精進しています。

メイテックネクスト コーポレートサイトはこちら

まとめ

エンジニアの転職で押さえておきたいポイントを解説しました。これからはメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用に移行し、転職でキャリアアップしていくスタイルが主流になるでしょう。

そのため、転職を見据えたキャリアプランを考え、市場価値を高めていくことがポイントです。転職エージェントに相談すると、ご自身の市場価値や魅力的なキャリアプランが分かります。

エンジニアの転職でお悩みの方は、ぜひメイテックネクストへお問い合わせください。

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記事監修
梅津 太一(メイテックネクスト 東京支社長)
中小から大手メーカーに対する採用コンサルティングを4年、その後はキャリアアドバイザーとして11年、延べ4000名以上のエンジニアのキャリアカウンセリング経験を持ちます。得意としていることは「求職者の強みの抽出」と「要素技術軸、工程軸(方法論)でのマッチング」です。昨今のマーケットは先が読みくいが故、自身が今どのような経験を積むべきか、また、どの分野(強み・弱み)に負荷をかけ成長を促すかを求職者と一緒に考えていきたいと思います。


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