スマホから自動車、医療機器、検査装置へと市場拡大続くCMOSイメージセンサ

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本コラムは、エンジニア専門の人材紹介会社メイテックネクストのキャリアコンサルタント・河辺真典氏からの寄稿です。旬のキーワードを取り上げ、エンジニアのキャリア形成に役立つ情報を発信していきます。


毎年、秋口になるとiPhoneの新版が登場するのではないかと注目が集まりますが、今年も9月25日に「iPhone 6s」が発売されました。

iPhone 6sで強化された機能の1つとして、800万から1200万に増えたカメラの画素数が挙げられます。

そのようにiPhoneの新版が登場するにつれて、カメラ機能も少しずつ強化されてきたわけですが、エンジニアなら「iPhone 6sで採用されているCMOSイメージセンサを開発・製造しているのはソニー」だということをご存知の方も多いことでしょう。

ソニーはCMOSイメージセンサの世界シェアで30~40% を占めるトップメーカー。CMOSイメージセンサは同社が重点を置いている事業で、工場の新設・増設にも意欲的に取り組んでいます。

スマホ、車載、医療、検査装置と用途が広がるCMOSイメージセンサ

デバイスメーカーがCMOSイメージセンサに力を入れるのには、理由があります。

現在、CMOSイメージセンサが主に採用されているのはiPhoneなどのスマートフォンに搭載されるカメラ向け。今後は他の用途でも利用が広まり、車載や医療、セキュリティ/監視システム、検査装置、ゲーム機などでも使われるようになると見込まれています。

調査会社の矢野経済研究所 は、2013年のCMOS/CCDカメラの市場規模は世界で25億7698万台だったものが2017年には37億9062万台になると予測。他にも調査会社IC Insights は、2015年に100億ドル規模だったCMOSイメージセンサの市場規模が2019年には1.5倍の150億ドルほどになると分析しているのです。

センサ、カメラ、最終製品の各メーカーがエンジニアを積極採用

CMOSイメージセンサは、それくらい将来性のある技術領域。エンジニアの採用に積極的な企業も増えてきています。

実際、CMOSイメージセンサ関連でエンジニアの採用ニーズがある企業は、大きく3つのグループに分かれます。

まずはセンサ自体を開発・製造するデバイスメーカーです。カメラの画素数を増やす、暗い場所でもきれいな写真を撮影できるようにするなど、イメージセンサとしての性能・機能を研ぎ澄ませていくプロダクトアウト型の研究開発がメイン。ただし最近になってもう一歩先、センサを搭載してモジュール化する開発関連の仕事も増えてきました。

次に、デジタルカメラやiPhoneのカメラモジュールなどの開発・製造会社。ここでの仕事は「人間が見たときに、どんな写真を美しいと感じるか」といった人間の感性と向き合いながら取り組むことになります。

そして最後は、センサやモジュールを買ってきて、最終製品に組み込むメーカー。その中でも特にエンジニアの採用ニーズが強いのは、自動車や医療機器、検査装置の3分野でしょう。

これら3つのグループの中でも、エンジニアにとって魅力的な仕事が待っていると私が考えるのは最後のグループ。自動車や医療機器、検査装置などの最終製品にカメラを組み込むところになります。

こうした分野にはどのような仕事が待っていて、エンジニアに対してどのような評価・待遇を用意しているのか、次稿でご紹介していきましょう。


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河辺 真典(メイテックネクスト 執行役員)

メイテックネクストでは、エンジニア専門特化の強みを生かし、豊富な業界知識・技術知識に基づいて「失敗しない転職」のお手伝いをいたします。
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