- 2024-4-22
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- ACS Energy Letters, ブルーエネルギー, 中国中南大学, 学術, 摩擦電気ナノ発電機(TENG), 機械エネルギー, 銅箔電極, 電気
中国中南大学の研究チームが、水の波エネルギーを電気に変換する環境発電装置の電極配置を最適化し、発電効率を増大させる方法を見いだした。同研究は波力や海流発電など、海の力である「ブルーエネルギー」を利用する環境発電の基礎になるという。
同研究成果は2024年4月3日、「ACS Energy Letters」誌に掲載された。
波を利用した管状の環境発電装置は「摩擦電気ナノ発電機(TENG)」と呼ばれている。管の中に銅電極を配置した装置で、管と水の界面接触による帯電電荷を電極から取り出して発電する。低周波で高エントロピーの電力源による発電が可能なため、波力や海流発電などのブルーエネルギー発電技術として注目されている。
研究チームは、TENG電極の発電に最適な位置を調べるため、長さ約40cmのプラスチック製の管を使い、銅箔電極を管の中央に配置した従来型の装置と、管の端に配置した装置を作製した。そして、4分の1ほどの水で管を満たし、密閉して電極をワイヤーで外部回路に接続した。
両装置を卓上に置き、振動器で水を管内で往復させ、機械エネルギーを電気に変換した結果、銅箔電極を中央に配置した従来装置と比べ、銅箔電極を端に配置した装置の発電能力は2.4倍向上した。さらに研究チームは、最適な電極配置のTENGによって35個のLEDアレイを点滅できることを実演した。
同研究成果は、TENGによるブルーエネルギー発電の基礎を築くだけでなく、ワイヤレス水中信号通信などのアプリケーションへの可能性を示すという。