- 2024-4-25
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- Legacy Survey of Space and Time(LSST), Vera C. Rubin天文台, データカタログ, 国立加速器研究所, 天文用デジタルカメラ, 米エネルギー省(DOE), 超高解像度センサー, 重力レンズ
米エネルギー省(DOE)の科学局は2024年4月3日、3200メガピクセルの超高解像度センサーを備えたカメラ、「Legacy Survey of Space and Time(LSST)」を発表した。同カメラの開発は、DOEのSLAC国立加速器研究所の主導により、20年をかけて完成させた。
LSSTカメラは、重量2.7t、小型車ほどの大きさで、天文学用途としては史上最大だ。3200メガピクセルのセンサーは、約24km離れたゴルフボールを撮影できる解像度を持つ。また、交換可能な6種類のフィルターによって、さまざまなタイプの光を分析できる。
LSSTカメラは、「重力レンズ」という現象の研究に用いられる。他の銀河からの光が我々のもとに届く前に、重力レンズによって曲げられるため、この現象を利用して暗黒物質が宇宙全体にどのように分布しているかを分析する。
同カメラは3枚のレンズを持ち、最大の1枚の高さは1.5m以上ある。1枚の撮影でレンズを15秒間開き、撮影の5秒後には次の撮影に切り替わる。今後10年間、晴天の夜間に20秒ごとに撮影を繰り返しながら370億の天体の情報収集し、既存のカメラよりも数千倍大きなデータカタログを完成させる計画だ。
LSSTカメラは、南米チリの海抜2700mのVera C. Rubin天文台に設置される。現在、チームはLSSTカメラをチリの本拠地に向けて運搬中だ。
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