軸受けを高負荷容量化する特殊熱処理技術を開発 NTN

NTNは2024年5月20日、設計面で軸受け形状を変更せずに、一般的な鋼材に特殊な熱処理技術を適用することで高負荷容量化する技術「HA-C」を発表した。従来よりも小型で軽量な軸受けに置き換えできる。

HA-Cは、硬く微細な析出物を材料に多数分散させるなどの手法により、非常に高い表面硬さと高負荷容量化を両立している。HA-Cを適用した転がり軸受けは、自動車向け駆動装置などの過酷な使用環境に対応する。

静的負荷容量2倍、重荷重条件での転動疲労寿命が7倍以上に向上。高負荷容量化により、小型、軽量な転がり軸受けへの置き換え対応を見込んでいる。

また、転がり軸受けが異物を嚙み込んだ際に生じる圧痕周縁の盛り上がり量を2分の1に低減。異物混入潤滑下での転動疲労寿命が3倍に向上している。環境温度150℃での経年寸法変化率は、2分の1以下に抑制。摩耗量は300分の1以下に低減している。

圧痕形成性(静的負荷容量)試験結果
3/8インチ窒化珪素球で付与した圧痕形状(最大接触面圧:5.5GPa)
左:「HA-C」適用品、右:標準品

HA-Cは、同社の既存商品であるe-Axle向け高速回転軸受や耐電食軸受けなどへ適用でき、自動車向け駆動装置で使用される転がり軸受けが抱える技術課題を解決する。

関連情報

自動車向け駆動装置の小型・軽量化に貢献する特殊熱処理技術「HA-C」を開発|新商品ニュース:2024年|商品・技術情報|NTN株式会社

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