- 2024-6-24
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- Advanced Materials, クライオゲル化技術, マックスプランク微細構造物理研究所, 中国科学院, 吸湿性ハイドロゲル塩複合体(HSHC), 塩化リチウム, 多孔質ハイドロゲル, 学術, 寧波材料技術工程研究所, 水不足問題, 淡水不足, 酸化グラフェン片
中国科学院は2024年5月13日、同大学の寧波材料技術工程研究所と独マックスプランク微細構造物理研究所の共同研究チームが、クライオゲル化技術による多孔質ハイドロゲルを開発し、大気中の水分を迅速かつ効率的に回収する方法を見いだしたと発表した。
淡水不足は、世界的に克服すべき課題であり、経済発展や生活の質に深刻な影響を与えている。大気中の水分を吸着して採取する方法は、水不足問題に対する有望な解決策となるが、吸着剤に用いる素材により回収できる量の制限があった。
吸湿性ハイドロゲル塩複合体(HSHC)は、大気中の集水をする代表的な吸着剤である。吸水性の高さと設計の汎用性、拡張性に優れる反面、吸収/脱水速度は緩やかで、大気中の集水性能に限界があった。
研究チームは、集水性能の限界に対処するため、ゲルを凍らせながら作製するクライオゲル化によって、平均直径50nmの細孔を持つ、安定した多孔質構造を構築した。また、吸湿性の塩化リチウムと光熱変換性の酸化グラフェン片をハイドロゲルに組み込み、水吸着と光駆動水脱離速度を大きく改善した。
同ハイドロゲルをベースとした、より実用的な急速循環型集水装置の試作品を使用した実験では、自然太陽光の下、吸収と脱水を連続8サイクル繰り返し、吸着剤1kg当たり1日で2.85Lの水を回収した。
ネットワーク構築する同技術は、HSHC用の他のハイドロゲルにも拡張でき、電池や触媒、生物医学などの分野への応用も期待される。
同研究成果は2024年4月18日、「Advanced Materials」誌に掲載された。
関連情報
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