湿潤で過酷な環境にも適した建築材料「PLAEX-crete」――90%以上をリサイクル材料で構成

建築資材を製造するカナダのPLAEX Building Systemsは、従来リサイクルが難しいとされてきた廃棄物を再利用した複合材料、「PLAEX-crete」を開発した。この材料は、熱可塑性プラスチックと建築廃材を含み、90%以上がリサイクル材料で構成されている。

PLAEX-creteは、コンクリートに似た外観と感触を持ちながらも35%軽量で、水分を吸収して分解し、亀裂などにも強い。従来のリサイクルプラスチック製品とは異なり、水に浮かぶことなく荷重を支えることができ、湿潤で過酷な環境にも適している。

この材料は非常に高い蓄熱性を持ち、パーツ同士が密接に噛み合う構造により、水や空気を遮断する。また、パネルの組み合わせにより、環境に応じた熱抵抗値(R値)をカスタマイズできる。

PLAEX-creteには、コスト面でも利点がある。2階建ての建物を建設する際、プレキャストコンクリート(PCa)では65日の工期を要するが、PLAEX-creteは11~12日で完了する。また、1平方フィート(約0.09平方メートル)あたりの費用は、PCaの45~90ドル(約7000~1万5000円)に対して、PLAEX-creteは32~56ドル(約5000~9000円)に抑えられる。

PLAEX-creteの実用化によって、建築に必要なセメント製品の使用量を大幅に削減できるうえ、炭素排出量も減少する。また、木材を伐採する必要もなくなることから、環境に優しい建築材料の選択肢になると期待されている。

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Services 2 — PLAEX Building Systems Inc.

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