- 2024-9-7
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インドの国立工科大学とインド工科大学の研究チームが、シミュレーションによりペロブスカイト太陽電池(PSC)を最適化し、前面照明と背面照明の両方で27%を超える電力変換効率を示す構造を提案した。同研究成果は2024年6月4日、「Next Energy」誌に掲載された。
PSCは柔軟/軽量であり、シリコン系太陽電池では設置が難しいとされてきた建物の壁面や湾曲した屋根に設置可能なため、次世代の再生可能エネルギー源として盛んに研究されている。
基本構造は、光増感剤としてのペロブスカイト層を電子輸送層(ETL)と正孔輸送層(HTL)で挟んだ構造をしている。PSCの変換効率は、発明されてからわずか10年の間に3.8%から26.1%(認証済み)にまで急速に向上した。
現在実用化に向けて、さまざまなPSCの開発が進められており、その1つにETLフリーPSCがある。ETLフリーPSCは、単純な構成と作成過程により低い製造コストが期待できる。しかし、ETLフリーPSCの変換効率は20~22%程度で、基本構造のPSCよりも劣る。
ETLフリーPSCの単純な構造を生かし、性能を向上させる技術として、両面に透明電極を貼り付け、両面からの光を利用して発電する技術がある。
研究チームは、適切な前面透明電極(FTE)と正孔輸送層(HTL)、背面透明電極(RTE)を選択し、シミュレーションでETLフリー両面PSCを最適化した。その結果、FTEとHTL、ペロブスカイト層の界面欠陥層が変換効率に重要な役割を果たすことが分かった。そして、最適化したETLフリーPSCの前面と背面から光を入射した変換効率は共に27%を超えた。
ETLフリー両面PSCは、柔軟で軽量な折りたたみ式の高性能太陽電池として、さまざまな応用が期待される。