3万6000km先の標的を検出する宇宙レーダーシステム「DARC」――豪英米が共同で構築

オーストラリア、イギリス、アメリカの3カ国からなる安全保障パートナーシップAUKUSは、宇宙監視プロジェクト「Deep Space Advanced Radar Capability(DARC)」を立ち上げた。これに関連してイギリス政府は2024年8月8日、同プロジェクトが宇宙の安全確保と雇用創出に貢献するとの見通しを発表した。

DARCの役割は、AUKUSの3カ国が設置する地上レーダー網を使用して、地球から約3万6000km離れた深宇宙における物体検出、追跡、識別能力を向上させることだ。これは、3カ国の軍事面の利益に加えて、重要インフラの保護、建設や宇宙産業にも寄与する。

具体的には、衛星通信やナビゲーションネットワークの保護、軍事作戦の支援、部隊の指揮、情報収集などの任務遂行に利用される。広くは、インド太平洋地域を含む世界の安全保障の観点でも重要な役割が期待されている。

本計画のうちイギリスでは、約100人の常駐人員がレーダー施設の運用と保守を担当することで、地域の雇用が確保される。さらにイギリス国防省は、環境影響評価や景観/視覚的影響評価等を実施し、国際的な環境/健康基準への準拠も保証している。

イギリス国防省のJohn Healey長官は、軍事作戦の支援や部隊の誘導、情報収集など重要な任務で同レーダーを利用していることに言及した。さらに、DARCは深宇宙への理解に加えて、パートナー国と協力した宇宙資産の保護にも寄与することを強調した。

関連情報

Plans announced to redevelop Cawdor Barracks for landmark radar initiative – GOV.UK

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